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オンライン研究会のご報告(2021.6.6) 公開講座「死の授業」パネリスト・関連サイト情報

みんなの老年学研究会・公開講座「死の授業」開催報告

2021年6月6日(日)14:00~16:00

 みんなの老年学研究会・発起人の萩原眞由美です。昨年春に開催するはずだった同講座をどこまで待ってもリアル会場開催は無理と見切りをつけ、オンライン開催に切り替え、ついに実現しました。内容も講師の前田先生に無理を申し上げて今年版にバージョンアップしていただき、コロナの蔓延でさらに切実になっている「死」にどう備えるのか。ただ恐れるのではなく、後悔しない死に方、送り方の提案をしながら、そのためにこそ、家族の物語を紡ぐ道のりとしての「人生会議(ACP)」の必要性を伝えよう。そんな打ち合わせから交わしていた共有の思いを、第1部で見事に前田先生がお話してくださいました。

 また、第2部のパネルディスカッションでは、柴田先生や渡辺先生から、「老年学」や「死生学」から考える、「死」のとらえ方や「死」への備えのヒントと、これからの終末期医療には「ナラティブ・メディスン」や「ナラティブ・セラピー」が必要であるというお話がありました。そして在宅医療の現場で年間40人ほどの患者さんを看取っているという荒井先生からは、一人一人違う「幸せな死のものさし」についてのお話があり、お義父様の別居介護・死別・葬儀と体験した島影先生からは、高齢の認知症でも、病状が低下する終末期でも、「どうしたい?」とじっくり、ゆっくり聞けば、ご本人の意思で答えを出してくれた体験実話が。また最後の病状や意思決定レベルの変化、心情は誰にも想像がつかず、たとえ医師であってもわからないこと。でも「わからないですね」と、家族と一緒に悩んだり考えたりしてくれる先生がいいという経験知ならでのお話も。

 もう少し時間があれば・・・、という思いにかられながらの閉会でしたが、最後まで大勢の方にご視聴いただき、誠にありがとうございました。また、ご協力いただきました先生方にも深くお礼申し上げます。

参加お申し込み215名、オンライン会場参加者136名 (残りの方々がこれからのアーカイブ配信ご視聴予定者と思われます)

ご回答しきれなかった質問の回答は、近日中にみんなの老年学研究会公式サイトに掲載予定です。

みんなの老年学研究会は、これからもみなさまのお力をお借りしながら、活動を続けて参ります。今後ともよろしくお願い申し上げます。

「死の授業」へのご質問の回答

【回答】  

大変難しいテーマですが、いろいろ精神的な問題を抱えた高齢者と接することが多い老年病の専門医として日頃から心していることを述べます。結論をいうと、相手の方に対して一方的な保護者の立場に立つのではなく、仲間として対等に付き合う気持ちが大切です。そもそも認知症になる前から、高齢になった人生の先輩には、このような尊厳の気持ちをもって接していなければ、人生会議で取り上げるような話題について、「どうした いですか?」「ハイですか、いいえですか」のような聞き方をしても、答えてもらえるものではありません。ご本人である当事者と人生会議ができるのは、日々、尊厳をもって接し、言葉を交わしている中から、ご本人の希望や選択をあらかじめ受け止めている人である、という仮説が考えられます。 この意味でも、日頃から以下のような前提で高齢者と接することで、認知症になる前や、たとえ認知症の疑いがあると思われる方でも、その方の意思を察しながらコミュニケーションできる関係を築いてください。

 

その方の人生と現状に対する尊敬心を失わない。どのような精神知能の状態にある人も人生の先輩でありプライドを持っています。

 

残存能力を大切にする。最近のことは忘れても、過去のことはよく覚えています。認知症であり ながら、声楽に勝っている方もいるし、将棋の有段者もいます。こちらの方が、その方の経験と 見識を学ぶ気持ちが大切です。

 

サポートは、部分的にして、能力の回復を心がける。調理の能力は失われても、御飯をよそう 能力は残っている場合もあります。買い物をしてきてあげるよりも、一緒に買い物に行って、陰からサポートする方がベターです。

 

(桜美林大学名誉教授 柴田 博)

【回答】

半世紀くらい前から、アメリカを中心に生命倫理学という学問が広がってきました。この中に死の自己決定=尊厳死の考え方が含まれています。私が述べたように、これはハイデッガーの「存在と時間」に展開されている学理によっていると解釈されています。しかし、現象学の創始者フッサールの弟子でかつ弟分のレヴィナスはハイデッガーに反対し、「死との関わりは、他者との関係の中に何か少し見えてくるもの」と述べています。

私自身は、このレヴィナスの考え方に賛成 しています。 最近の“Death Cafe”“人生会議”“ACP”などの考え方はハイデッガー的であるよりもレヴィナス的であるように思います。医学の世界でも最近は narrative medicine の大切さが強調され、「語り」「語り合い」の時代に入ったと いえるでしょう。回数を重ねながら、質問者の言う「繰り返し」の語り合いで意思決定者を委ね、医療ケアの幅も、選択肢も広げていく時代になったと感じています。

(桜美林大学名誉教授 柴田 博)

【回答①】 

浜松市の人生会議手帳はおすすめです。明るい内容から入ることができ、ケアのメリット・デメリットを踏まえて選択できるようになっているのが特徴的です。

https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/88983/jinsei-kaigi-tetyou.pdf

(㈱ハレ/かなえるナース 代表取締役 前田和哉)

 

【回答②】 

私が特別に、使っているものはありません。

書面に残すことは、身寄りのない方など、ACPに参加し意志決定の代理人となってくれる方が見つからない場合の備えとしては、意義が大きいと思います。しかし、個人的には、書面に残すことは、必ずしも重要ではないと思っています。もちろん、意味が無いとか、やらない方が良いということではなく、不明確なことを確認するのにも意味がありますし、我々支援する側は、たくさんのACPに関わりますから、一人一人をしっかり覚えておくというのは難しいところもありますので、要点の記録(自分たちの記録:将来本人に示す目的ではない)を残しておくことは重要だと思います。

ただ、“将来に、当時の意志を証明するために”という意味では、有効性に限界があることにも注意が必要だと思います。というのも、人の意志は、いろいろな要因(時間、病状、社会情勢等)によって、変化するからです。例えば、数年前の書面をもって、こうしましょうと言われても、自分だったら戸惑います。また、代理人の意志でさえも、数年前の書面に書かれた本人の意志(+代理人も同意?)と、方針を決めるときには変わっているかもしれません。その時に、改めて相談させてほしいです。もちろん、“方針を決定するときに、代理人(ACPの共有者:本人にとっての大切な人)が、本人の意志が不明確にならないように”書面に残すというのは意義があるでしょう。しかし、それはACPとして不十分(書面を見ないと分からないほど、不明確な結論だった?)と言えるかもしれません。記録は残しつつも、書面より、(代理人となる方をはじめ、参加者全員の)心に残るACPを目指したいです。

           (生き生き診療所・ゆうき 院長 荒井 康之)

【回答①】

まずはこれまでのご苦労をお察しいたします。人生会議はスムーズな人間関係あってこそだと、実感しています。人生会議を中期的なゴールとして、ご家族様との関係を良くする道があるのか改めて、そこの解決に着手するのが近道かもしれません。

アドラー心理学を用いた親との向き合い方に触れている、こちらの書籍を一度ご覧いただいてみるのはいかがでしょうか? 

「アドラー式 老いた親とのつきあい方」 https://amzn.to/3pELYFn

(㈱ハレ/かなえるナース 代表取締役 前田和哉)

 

【回答②】

難しいケースですね。でも、実際には少なくありません。関係性が悪い理由、当事者とご家族の距離感などによるので、ケースバイケースで、申し訳ありませんが、明確なお答えが出来ません。一概に言えるものではなく、ケースによって、最善を探ります。ただ、私は、そうした関係性も含めて、当事者の人生・価値観だと考えています。よほど無理にご家族を引き合わせる方が、ストレスになる可能性もあるため、現在のご本人の思い(会いたくない、頼りにしたくない)という気持ちも、尊重したいと思っています。

(生き生き診療所・ゆうき 院長 荒井 康之)

【回答①】

緩和ケア病棟に入ってからというのは、難しいですね。緩和ケア病棟に、発症後直ぐに入るという方は少なく、多くの場合は、それまでに一定の時間があると思われます。その間にACPを行なっておくというのが、まずは目指したいところです…。が、それも難しいというのが現実かもしれません。とはいえ、緩和ケア病棟では、目の前に思い悩む方がいらっしゃるので、過去を悔やんでも仕方なく、それを支えていかなければならいという苦悩も分かります。

私としては、思い悩む相手に、寄り添うということを大切にしたいと心がけています。ここでは、正解が一つではないところ(どこに重心を置くかで、正解が変わるもの、あるいはそもそも正解がないもの)を扱っています。だからこそ、難しいのだと思います。相手の苦悩を聞いたり、助言したり、寄り添う姿勢を続け、頼りになる存在でいることが、患者さん・ご家族への安心・癒しにつながるのだろうと思っています。ついつい、僕らは、“何かしてあげたい”と思いますが、心理的に不安定な状況にある相手に、こちらが相手のことを十分に理解できていないまま、その何かを行うと、それが余計なことになりえることにも注意しています。何かしてあげるということよりも、相手に寄り添って“存在していること”にも、意味を持てるような、日ごろからの関わり・ケアを目指したいと思っています。

(生き生き診療所・ゆうき 院長 荒井 康之)

 

【回答②】

緩和ケア病棟でも、そのような場面は数多く見られているのですね。日々のご苦労をお察しいたします。看取りの段階まで来て、できることは少ないと思いますが、家族の負担を軽減するという意味では、ヒントになりそうなことはあります。アメリカが主導してインフォームド・コンセントの時代になり、医療現場での意思決定は本人、家族に委ねられるようになりました。しかしフランスなど、現在も医師が主体となり、意思決定を進めている国があります。時代遅れかと思いきや、研究の結果によると、「他者に決めてもらったほうが、遺族の心理的な負担は軽減される」のだそうです。シーナ・アイエンガー著 「選択の科学」 にそれに触れる記載があります。https://amzn.to/3pGR8Ry

人生会議が十分に済んでおらず確認が難しい場合は医療従事者が選択を促してあげるような関わりが(一般的にはこうするよ、など)家族にとっても救いになるのかなと思っています。本題とはずれるかもしれませんが、参考になれば幸いです。

(㈱ハレ/かなえるナース 代表取締役 前田和哉)

参加者アンケート

Q3 参加のきっかけについて教えてください。

55.6%(青の部分)が、「医療従事者なので、気になるテーマだった」と回答。
30%(濃黄の部分)が、自分や家族のこれからを考えるうえで、気になるテーマだった」と回答。
7.8%(赤茶の部分)が、「介護従事者なので、気になるテーマだった」と回答。

 

以下、

  • 気になるテーマ、自分のオンラインサロンの課題として。
  • 友人が出てた
  • 終活を主に取り組んでいるFPなので。
  • 今、取り組んでいる研究テーマに近かったから。
  • ボランティア関係で、必要な知識。
  • 自分の研究テーマのため。

Q5 本講座に参加していただくにあたっての「ACP(人生会議)」への関心・実践状況について教えてください。

45.6%(赤茶の部分)が、「関心はあるが、実際に何かを書いたり話したりするなど実践したことがない」と回答。
33.3%(濃黄の部分)が、「実践したことがある」と回答。
13.3%(青の部分)が、「聞いたことはあるが、まだよく知らなかった」と回答。

以下、

  • 人生会議は「実践」「書く」ものなのでしょうか?
  • 業務の中で、家族に伝えています。
  • まったく知りませんでした。母が認知症になりかかっていますが、ACPに耐えられるのか想像がつきません。
  • ACPは、やったことはないが、親の件でそういう場にあった。
  • 正式なものではありませんが、そういう場面の話が出た時に、考え思いを伝えています。
  • 介護施設でも取組中だが、まだまだ検討していく必要があると思っています。
  • 不勉強のため、初めて知りました。

公開講座「死の授業」パネリスト・関連サイト情報

老年学や、ご登壇いただいた先生方のご活動などをもっとお知りになりたい場合は、下記ホームページをご覧ください。

前田 和哉 先生
かなえるナース | 夢を叶えるプライベート看護サービス

https://ha-re.co.jp

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桜美林大学大学院 老年学学位プログラム

老年学学位プログラム

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柴田 博 先生

日本応用老年学会
https://www.sag-j.org

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荒井 康之 先生

 生きいき診療所・ゆうき/医療法人アスムス

http://www.asmss.jp/iki-sin.html

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島影 真奈美 先生  

これからの老いと暮らしをデザインする

一般社団法人マリーゴールド

happymarigold.com/

引き継ぎノート部

http://hikitsuginote.com/

オンライン研究会のご報告(2020.12.6)

●日時:12月6日(日)15:30~17:30

テーマ:死生観光トランプで、楽しくデスカフェ!

(参考)死生観トランプとは
↑クリックして外部Siteを表示

<参加者のご感想>

遠藤 勇さん

今回は死生観トランプを使って、死生観から老年学を考えるセミナーでした。
コロナ禍ということもあり、本日もZoomミーティングです。

まず、死生観トランプから自分の好感カード、嫌悪感カードを選びます。
世界の死生観なので様々です。宗教や生活習慣によってなんでしょうが、ありえない!!と言ったものもありました。
そして、それについて何故そのカードを選んだのかを説明します。
その後、死生観の絵を描きます。
これが、絵が下手な私には難しかったのですが、絵にしてみると自分の意識が鮮明になりました。
その後、グループに分かれ自分が描いた絵を説明し、それについてコメントしていただきます。
自分の死生観を他人がどう見るのか、興味深く大変参考になりました。

柴田先生のコメントに人間を殺しているのは1番が蚊、2番目は人間というコメントは大変考えさせられました。
軍事費を他のことに使えないのかという意見も賛成です。

下記は渡辺先生からの紹介サイトです。

防衛費  https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_yosanzaisei20191220j-07-w390

世界の軍事費  https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20200509-00176794/

人間の天敵  http://eedu.jp/blog/2014/05/04/world-deadliest-animal-mosquitoes/

今回の勉強会で死生観から生を見つめ、そしてそれが老年学にも通じている。老年学の認知向上が大事なことだと改めて思いました。

ありがとうございました。

5/5

梅津 順江さん

本日の研究会は、オンラインでのデスカフェ。

ワカゾーという若い僧侶の有志団体が制作した「死生観光トランプ」を用いてのワークショップでした。「自分が共感できると思うカード」と「自分の感覚には合わないと思うカード」を各々が1枚ずつ選んで、死生観について語らいました。

皆さん、選んだカードは違いましたが、共通した死生観が垣間見れたことがとても興味深かったです。「自然に返る」「無になる」などの言葉が頻出したり、「南米の死生観は日本人にはフィットしない」ということにうなずいたり‥とても盛り上がりました。

「死生観」は身近ではないですし、重いテーマですので、普段は避けてしまいがちなことです。どちらかというとタブーな話題という感じがありましたが、今日はトランプゲームが入り口だったからか、構えず気楽に話せました。それでいて、話している内容は案外深い・・。各国の歴史や文化に触れることができましたし、先生方からは哲学的な思想を聞くこともできました。

参加して良かったです。ありがとうございました。

オンライン研究会のご報告(2020.10.11)

●日時:10月11日(日)14時~16時

●講師:「英語発音体操」 英語発音体操の会 杉本享子氏

●講師:「オーラルフレイルについて」 東京医科歯科大学歯学口腔保健学科長 荒川真一先生

今回は、研究会メンバーである杉本享子さんに、  お口の健康に役立ち、英語の発音のブラッシュアップにもつながる「英語発音体操」をご披露いただいた後、 東京医科歯科大学の歯学口腔保健学科長である荒川先生に「オーラルフレイル」についてお話いただきました。

<参加者のご感想>

田邊和子さん

杉本享子先生、荒川真一郎先生、ありがとうございました。
おふたりの情報満載のご講義、とてもためになりました。つくづく我が顔・口・喉をもっと鍛えなくてはいけないと痛感致しました。確かにみんな筋肉でできているのですから、筋トレすれば、必ず効果はあるはずですね。

「オーラルフレイルを制するもの、すべてのフレイルを制す!」

出席できなかった方のためにご講義の一部を紹介させていただきます。
杉本先生のお話は、ご自身が開発なさった「英語発音体操」に基づいた顔の筋肉、呼吸法と英語の発音の関係に着目したお話でした。顔の筋肉を鍛えてフレイルを予防するのと同時に、英語の発音も改善しようという欲張りな体操です。キーワードは、「たこやき」「りんご」「うどん一本」です。「たこやき」は、頬の筋肉を象徴しています。「いー」と思いっきり横に口を引っ張って発音して鍛えます。「りんご」は、口を大きく開ける動きです。りんご丸かじりの気分で「あー」と声をあげます。「うどん一本」は、口先をきゅっと閉める動きです。「うー」と口の奥を使って発音します。まじめにやると結構疲れます。これを何度もしたら、英語の「pot」をお腹の底から発音してみてください。Native speakerのような発音になっています。ウキウキした気持ちになって、心も顔も若返る英語教室でした。

荒川先生のお話は、島影さんの感想を引用させていただくと「断片的であった知識のすべてが繋がりを持って見えてきた」というように、口周りの動きと機能についての体系的なお話でした。口腔内の歯や舌、そして顔や顎の筋肉と唾の関係など、嚥下と咀嚼に関する運動が全部関係していることがよく理解できました。中でも噛むことの重要性について、私は、しみじみと考えさせられました。私たちの文明って、本当に発達しているのでしょうか。怠惰な道をまっしぐらに走っているだけなのではないでしょうか。

さて、講義で紹介された咀嚼に関するクイズです。

以下は、時代別の一回の食事で噛む回数です。

  • 弥生時代 4千回 (木の実など食べていたためです。)
  • 鎌倉時代 3千回
  • 江戸時代 1千回 (うどん・そばが出現したため急減しました。)
  • 現代   ?   (何回だと思いますか? 答えは、600回です。)

今からでも遅くありません、固いものを食べ、歯磨きに精を出し、入れ歯の手入れをよくし、朝起きたら、耳の下、顎の下の唾液腺を押してたくさんのつばを出してから食事をしましょう。そして、昼間には、一秒間に「ぱぱぱぱぱぱ」と6回言う練習をすれば、効果的なフレイル予防ができます。フレイルに迎え撃つ自信が持てたお話でした。

平澤 奈保子さん

「目からウロコのオーラルフレイル予防」とても興味深い内容でした。有難うございました。島影さんが最後の感想で述べられたように、”口腔ケアと認知症との関係”の様に今まで断片的には知っていた知識が繋がる内容でした。老年学を「お口の健康」(オーラルフレイル予防)という観点から見ると、新たな可能性がまだまだある事に気づけました。

  今回の研究会は体験型ワークショップのような趣で、今までに経験したことのない研究会でした。特に柴田先生のお顔のアップの画像で、先生の英語の美しい発音とオーラルディアドコキネシス テストで素晴らしい滑舌の良さを聴くことが出来たのは、Zoomでの研究会の思いもかけない恩恵でした

 

杉本享子先生の『英語発音体操』

  柴田先生が、「英語発音体操』を「日本人の声の出し方と欧米人の額に響かせるベルカント唱法声の出し方(筋肉の使い方)の違いに着目した事は今迄の英語教育にはなかった画期的な視点」だとご指摘をされた通り、英語学習という点からみても素晴らしい体操でした。そして何より、Zoom上で皆で超真剣に大きな口を開けて大きな声での発音練習は、レクリエーションとしてもコロナ禍の憂鬱を吹き飛ばす位楽しかったです。

 英語発音体操の①母音体操②子音体操③強弱リズム体操の内、 今回は、表情筋に効果のある①の英語の母音7つ+子音Wを指導して頂きました。イ:作り笑いの口、エ:イの口のままたこ焼きのほっぺ、ア:リンゴ丸かじりの口、ウ:うどん一本分の口等々の説明がとても分かりやすく、本当に楽しみながら参加できました。そして、短時間でも、顔中の筋肉が痛くなるくらい効果的な筋肉トレーニングでした。こんなに使っていない筋肉があるの(使わずに過ごしていたの)だと、改めて実感すると共に英語発音体操の効果が実感できました。

東京医科歯科大学 歯学口腔保健学科長 荒川真一先生の「オーラルフレイル」のお話

   オーラルフレイルについての分かりやすい説明と、その予防のためのオーラルケアの行い方の実践指導はとても興味深いものでした。荒川先生に最新の情報を分かりやすい言葉で端的にご説明して頂いた事で、高齢期のQOLを高める要因としてバラバラに漠然と認識していた事が、一気に繋がった気がしました。ユーモアを交えた楽しいお話の上に、オーラルケアの実践方法のご指導で、効果が直ぐに実感でき有効性がその場で実感出来ました。Zoomで皆で一緒に体操する事は想像以上に楽しかったです。

・オーラルディアドコキネシス(拮抗反復運動):皆で一緒に5秒 パ・タ・カ(発音)テスト。ここでも、柴田先生が驚異の活舌の良さを披露され、荒川先生にも流石と褒められ基準値の6回/秒を遥かに上回る結果で、柴田先生の身体能力+脳力を改めて実感させて頂き、畏敬の念と共に人間の可能性を再認識させて頂きました。

・舌体操 ①口あけ舌体操・②口しめ舌体操共:舌が攣りそうになりました。舌だけではなく眼を始め顔面後頭部まで全ての筋肉の繋がりが感じられました。

・唾液腺マッサージ ①耳下腺・②顎下腺・③舌下腺:思っているより強く押すよう指にという指示に従いおこなったら、直ぐに唾液が出て驚きました。口が乾くこれからの季節、電車の中等気が付いたらいつでもやってみようと思いました。

・嚥下力強化 ①首の体操・②肩の体操・③嚥下練習:体が軽くなり気持ち良かったです。これも、気が付いたらいつでもやってみようと思いました。

 ケアは、日々の小さな気づき(注意)と日々の小さな積み重ねが大切なのだと再確認させて頂けました。

 最後におまけとして、「身体活動量および強度と死亡率との関係」という英国バイオバンクのコホート研究(96,476人)の最新の研究からの、運動強度が上がると死亡率が下がるという結果と共に、運動量が同じ負荷でも栄養量が上がると死亡率が下がるという結果は、大変興味深いものでした。

 研究会の最後感想で、萩原さんの「全てのフレイルの始まりは、オーラルフレイルからくるのではないか? 老化の始まりの信号はオーラルフレイルから…」という言葉がとても腑に落ちました。臓器の入り口である口腔、脳の周りの筋肉に直接繋がる口腔、人が命を繋ぐために一番重要な呼吸と摂食に最初にかかわる口腔…口腔ケアの重要性と、QOLを高めるための口腔ケアの可能性を再認識させて頂けた研究会でした。

 今回の研究会も大変勉強になりました。有難うございます。次回の研究会もよろしくお願い致します。

松島 光子さん

10月12日(日)の「オーラルフレイル予防」、楽しく伺いました。「英語発音体操」、面白かったです。商法登録されているとはアッパレですね・・・。

恐らく1960年代生まれの世代位までは、学校によっては「LL教室」があって、そこには鏡付デスク(ついでにカセットテープレコーダ付デスク)があって、 その鏡を見ながら発音練習させられていた経験があるかも・・・と思いました。

個人的には、趣味がコーラス(特にオペラ)活動なのですが、コロナ禍で継続的活動がストップしているので、「発音体操」は久々の活動でした。イタリアオペラが多いので、音楽に言葉をのせるために「口の運動」をしているんだなぁ・・・と、思いました。

考えてみれば「声」を商売にしている方って、気づかづ日頃から運動しているんでしょうね。

オンライン研究会のご報告(2020.8.8)

●日時:8月8日(土)14時~16時

●テーマ:新しい生活様式と老年学

●ゲスト:公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団 主任研究員 澤岡詩野先生

 

 

<参加者のご感想>

杉本享子さん

澤岡先生、ご発表、ありがとうございました!
研究材料である貴重な情報を私たちと共有してくださって本当に感謝です!
また、先生のお声と話し方も聞き取りやすく、説明の内容も分かりやすく私のような素人も大変興味深く伺うことができました
今まで声をかけることもなかった同じマンションの住人への思いやり会えないなら絵葉書でと、友人に思いを馳せる気持ち。
Zoomお茶会で顔を見て声を聴いただけでホッとする心
日々の煩雑さの中で置き去りになっていた感情に、図らずもコロナの”おかげ”で気づくことができたのですね
コロナ禍に置かれた高齢者がどんな気持ちでどんな対応をとったかを澤岡先生のレポートから垣間見ることができました先生のご主張のとおり、気持ちや生活様式の変化をIT技術が大きく支えました
その恩恵を受けられるか否かは、生活の質や将来の暮らし方にも差をつけます今後の介護従事者には、高齢者の情報格差を減らすための仕組み作りも求められますね
ただ、当然のことながら、「便利」や「快適」の裏には提供者=支配者の思惑が潜みます
精神科医の斎藤環氏が「自粛の倫理の定着への懸念」というコラム(7月9日東京新聞)で
感染症が政府のプロバガンダに使われてきた歴史に言及しています
また氏は、「パンデミックが過ぎたら、積極的に忘れて”三密”を回復すべき」と主張しています
私も、群れの動物である人類はやはりテレワークよりも、満員電車に揺られてでも一つ所に集まって「触れる」「気配を感じる」ことの方が本来なのだと思います
私は、誰よりもIT技術の恩恵に浴している一人です
30年余、電子技術とIT産業の発展を翻訳という仕事をとおして見てきました
しかし、「便利」の追求の先に人類の存続はあるのかという疑問が近年脳裏をかすめます柴田先生が指摘されたように「地球上で人間の存在を考えるべき」時なのかもしれません
澤岡先生の発表の感想からあらぬ方向へ話が外れてしまい、申し訳ありません!澤岡先生、本当にありがとうございました!
ご著書、拝読いたします
(私も季節の便りには経費と時間を使っています。それでも一昨年前から数百枚のXマスカードをeカードに変えることができました。これもIT技術のおかげですね(^^;)
これからもご活躍をお祈りいたします

 

 

松島光子さん

澤岡先生のお話、初めて伺いましまた。
「新たな生活様式と言いながら、手段が語られている」と言われたのに、「やっぱり」と内心拍手。連日プレス発表される情報の中、高齢の方々は身のまわりに存在する手段や技術を使って、あるいは身につけて、自ら新たな空間や時間を手に入れている事がわかりました。

いつの頃からか葉書を出さなくなってしまっている私、後期高齢者層の先輩方へ二行書き程度の葉書を出して、微々たる「ふれあい」をプレゼントしようと思いました。
柴田先生の「人間の存在を考えるべき時」は、これから生きる為の テーマだと深く感じました。

 

 

オンライン研究会のご報告(2020.6.6)

日時:6月6日(土)14時~16時

テーマ:健康寿命の落とし穴

前回に引き続き、オンラインでの開催でしたが、今回は柴田先生もご一緒してくださいました…!!

<参加者のご感想>

遠田 恵子さん

柴田先生のお話は、いつも私に「反省」を促し、「気づき」をもたらしてくださいます。
反省でいえば、「比較できるデータかどうかの検証が必要」というご指摘。自分の論や主張を正当化するために、都合のいいデータをもってきてはいないか。本来比較できないものを強引に並べ立て、受け手に誤解を与えてはいないか。ミスリードしてはいないか。放送の現場に身を置くものとしては、背筋が伸びる思いがしました。
そして、たとえ寝たきりであっても健康度自己評価が高い人は長生きで幸福感も増すという興味深いお話。何をもって「健康」といい、「幸せ」というのか。深く深く考えさせられます。
この春卒寿を迎えた故郷の母が、自身の健康や幸福についてどんな思いを持っているの か、一度じっくり聞いてみたいと思いました。さん

森本 真知子さん

柴田先生、渡辺先生本日はありがとうございました。調査で本当の実体を表すことができているかどうかを読み解く力の大切さを改めて学びました。これからもご指導いただきたい、柴田先生のお話を伺いたいと切に願うところです。
さて、ウイズ コロナの時代に高齢者が社会貢献を含め、社会活動への参加に変化があるのか、健康寿命との関係はどうなのかを見つめていきたいと思います。また、殿原さんもお話しされたように、「繋がりたい」という気持ちもお互いに強くなったのかと思います。私は今まで話したこともない住民とあいさつ、立ち話、物々交換等が増えました。今までよりも高齢者が地域で心豊かに生活できる時代の到来に期待したいです。
島影様、いつもありがとうございます。フィットネス頑張つてくださいね。


川柳。「おろしたて、服着る機会、オンライン」

<研究会レポート>

2020 6.6    第18回 健康寿命の落とし穴 (出席者数 17名)

レポーター 萩原真由美

 オンラインで交流するみんなの老年学研究会もこれで2回目。なかなか対面で会えない中、お互いの顔が見られるだけでも喜びであるうえ、柴田先生のお話を聞けるのは新鮮で、発見やワクワクも多く、オンライン・トライを続けてよかったの一言です!
今回のテーマは「健康寿命の落とし穴」。

 「健康寿命をどう測っているのか、知っていますか?」という柴田先生からの厳しいご質問に答えられなったところから、このテーマが始まりました。

 国民生活基礎調査の質問票(別紙PDF参照)にある「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問に、1(ADL)日常生活動作、2外出、3仕事・家事・学業、4スポーツを含む運動、5その他の1つでも影響を受けることがあれば、もうそれだけで健康寿命が失われているされる可能性があるらしい。これでは、近頃ひざが痛いからスポーツはできないというだけの人も該当することに気付き、高齢者の大半が該当してしまうのではないかと驚きました。

 厚生労働省のヘルス・ネットには、健康寿命とは「WHOが提唱した新しい指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間」と記されており、「国連の世界保健機関(WHO)は健康寿命という新しい寿命の指標を取り入れました。これまでの平均寿命はいわゆる「寝たきり」や「認知症」といった介護を要する期間を含むため、生涯の健康な時期とに大きな開きがあることが指摘されておりました」とも書かれています。

 つまり、ひざが痛くてもひざサポーターやリハビリ体操などをしながら、日常生活はしっかり自立してこなしている人も、「寝たきり」や「認知症」といった介護を要する期間の人と同じ扱いになるのでは? そんな疑惑と、老化現象が出てくれば、もう健康寿命はなくなってしまうか?という連鎖的???で、誰もが仰天気分に陥った時間がありました。

 しかし、2000年にWHOが健康寿命(health expectancy)という用語を創出した背景には、それ以前にすでにWHOが提唱していた、高齢者の健康は疾病の有無ではなく、「生活機能における自立」を指標とすべきであるという概念を牽引する経緯があった。長生きすれば体の不具合が生じたり、病気になったりしやすいわけですから、「生活機能」を障害しない病気は必ずしも不健康の指標にはならないという考え方であったことを聞き、厚生労働省の前述の表現と大きな乖離があることを痛感しました。

 老化だけで健康寿命を失うことはなく、エンカレッジやレジリエンスを重視する老年学から見れば、足腰に不具合があっても電動自転車があればどこへでも行け、少しヘルプしてもらえばZOOMでいろんなひとと交流もできるような、「道具を活用した自立であっても、周囲の支えに助けられた自立であっても、‘健康寿命’である」との提言に、改めて心打たれたのでした。

 実は厚生労働省も私たちが感じたような疑惑に対し、2018年12月に「健康寿命のあり方に関する有識者研究会」を設け、2019年3月の報告書で日常生活動作、外出、仕事、家事、学業、運動等に制限があるものの、要介護2以上の認定を受けるまでは「日常生活動作が自立している期間の平均(健康寿命の期間)」とする“補完的指標”を提案してはいます。しかし、介護保険データというまったく異なるデータを指標に組み込んでいる点には留意が必要であると報告書の冒頭で述べています。この補完的指標を用いれば、現在、男性約9年、女性約12年と言われた健康寿命と平均寿命との差が、平均約6年になるようです。これがまた、政府が健康寿命と平均寿命との差を3年縮める目標を立てていることと符合してしまうことに、小さな違和感を覚えてしまうのは、私だけでしょうか?

 さて、もう一つ、健康寿命のデータにはすごい落とし穴がありました。それが都道府県別健康寿命比較データです。

 都道府県別健康寿命といえば、年度ごとに「うちの県は健康寿命がよそより長い」、あるいは「短い」と、マスコミをにぎわせる話題のデータです。しかし、このデータはまず、都道府県別の回答率が公表されていません。

 しかも、目からウロコだったのは、柴田先生の次のご指摘。「行政からのアンケートというのは、住民の行政への信頼度によって回収率が異なるものである。行政への信頼が大きいところは、いろいろ行政に協力し、アンケートにも答えておけば、それがまた住民のためのサービスにつながるかもしれないと、一般的には回収率も高くなります。反対に、どうせ何を言っても、何にもしてくれないと住民が思っているところでは、回収率も低くなる」。

 この結果、とんでもない矛盾したアンケート集計が作られることになる危険があるのです。例えば、住民にどんな困りごとがあるかを聞くアンケートが行われたと仮定すると、行政への期待が高いほど、いろいろな困りごとを寄せてきて、行政に期待していないところほど、回収率も低いため、上がってくる困りごとも少なくなります。つまり、行政がちゃんとやっている県のほうが困りごとが多く、やっていないほうが少ない結果に。マスコミはただ「○○県が住民の困りごと数のトップ」と書いて話題にしますから、全国的評判は事実と反対に・・・。

 「健康上の問題で日常生活に影響があるか」という健康寿命に関するアンケートにも、一生懸命真面目に答えて回収率の高いほど、健康寿命を失い、どうせ真面目に答えても見返りがないからと回収率の低い県ほど、健康寿命が長く出るかもしれないのです!? こんな結果を並べて、都道府県別に比較しているのが現状だったのです。

 知らなかったことばかりの今回の老年学の学び。やっぱり時々、柴田先生のお話を聞かないといけないな~、つくづく思わされた研究会でした。

オンライン茶話会のご報告(2020.4.9)

緊急事態宣言下、みんなの老年学勉強会も開催ままならず、試行的にZOOMを使ってオンライン茶話会を開催しました。

パソコン、スマホ、タブレットなど、端末は様々。外出自粛要請を受けての開催ですから、殆どが自宅での参加です。

久しぶりの顔合わせに、笑顔がこぼれました。

テーマは「メチニコフと腸内細菌と老年学。と、私たちの今」 です。

洗濯物がつるしてあったり、ご家族が後ろを通り過ぎたり、生活感あふれる勉強会でありましたが、是非また開催しましょうということになりましたので、近日次のご案内ができると思います。


メチニコフと私たち          (萩原真由美 2020年4月11日)

<今、改めてメチニコフの存在を意識した理由>

 新型コロナウイルス感染症に対して、少しでも免疫力を高めておくには腸内環境をよくしていくことが大事。このような発想から腸内細菌に関する記事を書くことになり、深く痛感しているのは、人間という生き物は、生命体として誕生した時から細菌などの微生物と共存しており、今でも私たちは腸内細菌に生かされているという事実です。

 ご存知でしょうか。日々のウンチの3分の1は、自分の腸の中にいる腸内細菌の死骸だということを。1人の腸内に100兆個とも1,000兆個ともいわれる腸内細菌は、実はものすごいスピードで細胞分裂しており、1個の細菌は3日で死ぬそうです。その次々と死んでゆく細菌の死骸がウンチの中に排泄されているんだとか。常にフレッシュで元気な腸内細菌がつくる消化酵素やある種のアミノ酸、短鎖脂肪酸、ビタミンB群やK、アドレナリン、セロトニンなどのホルモンや、腸管免疫に関する腸内細菌のサポートがなければ、私たちは健康で生きてはいけないことを再確認し、ワナワナ、ビックリのひと時がありました。

 しかも、同時にハッと気がつかされたのが、このような腸内細菌や腸管免疫研究のパイオニアの1人にE・メチニコフがいたことです。メチニコフといえば、私たちにとっては老年学(gerontology)と死生学(thanatology)の名付け親。老年学はメチニコフから始まったと教わっています。

彼は、1886年にできたロシア初の細菌学研究所の所長を務めた後、パリのパストゥール研究所に移り、やがてパストゥールの後継者として所長を務めた科学者であり、1908年には食細胞と免疫の研究でノーベル賞をもらった科学者ですから、腸内細菌や腸管免疫を調べていてこの名前に出会うのは、当たり前といえば当たり前なのですが、そんなフィールドの科学者がなぜ、老年学(gerontology)や死生学(thanatology)を提唱するに至ったのだろうかという、老年学研究科に入った時から抱いていた疑問が甦ってきたのです。このような疑問を胸中におきながら、今、結局は感染症との闘いで、いかに人類が脆弱であるかを知らされている私たちのこの世界と、メチニコフが老年学を提唱した経緯などを話題にしながら、おしゃべりができないかと思った次第です。

(PS)

ちなみにメチニコフはヨーグルトの研究でノーベル賞をとったように言われることも少なくないようですが、彼の研究はあくまで「食細胞(白血球)と免疫」の研究でした。1907年に発行された著書「長寿の研究 楽観論者のエッセイ」でヨーグルトに含まれる乳酸菌に腸内の腐敗菌の増殖を抑える働きがあると言及し、独自の“ヨーグル不老長寿説”を唱えたのを受けて、1908年にニューヨークタイムスがメチニコフの記事を掲載。これを機に、多くのメディアがヨーグルトと長寿の可能性を誇大宣伝したので、メチニコフがヨーグル研究者のように世界中から思われるようになったようです。

※本日は、ここまで。なぜ、腸内細菌と免疫の科学者メチニコフが老年学(gerontology)

と死生学(thanatology)を提唱したのか。そのヒントのほんの一端について、また日を改めてメモ書きしてみたいと思います。

<参考文献>

光岡知足. 人の健康は腸内細菌で決まる!. 技術評論社(2011)東京

須藤 信行. 脳機能と腸内細菌叢. 腸内細菌学雑誌2017 ;(31):23-32
三好真琴ら. 腸内細菌と脂質代謝. 静脈経腸栄養2013;28(4):9−15

安藤 朗. 腸内細菌の種類と定着
その隠された臓器としての機能. 日内会誌2015;(104):29~34

(オリガ・メチニコフ. メチニコフの生涯.)

Olga
Metchnikoff. Life of Elia Metchnikoff. London Constable and Company LTD.(1921)

https://bandscorp.jp/learn/labo/function/01/ 乳酸菌生成エキス研究室

https://www.shiseido.co.jp
› 脳腸相関LABO /資生堂

第13回「みんなの老年学研究会」開催報告(2019年5月28日)

平日夜間の開催でしたが、多くの方にご参加いただきました。初めてのご参加も4名!ご興味をお持ちいただき、感謝申し上げます。

今回は、柴田先生のご講義(20分程度の超速レクチャー)と、初めての試みのワークショップ形式で行いました。

ワークショップでは、自己紹介から始まり、3つのお題で意見を出しあい、各班の発表者が全員に共有するという流れ。最後は、柴田先生、渡辺先生にも応用老年学の見地からのご解説をいただき、とても実りある研究会になりました。

今回、アンケート&プロフィールということで、各人1枚書いていただきました。その内容は、HP掲載の許諾を得て、別途ご紹介します。

第12回「みんなの老年学研究会」開催報告(2019年3月16日)

第12回「みんなの老年学研究会」開催のご報告です。

今回は、初めての一般公開で、柴田先生に特別ご講義をいただきました。

ご講演テーマ「長寿の嘘と罠」と題して、粗食美談の嘘・コレステロールばい菌説の嘘・高齢社会の罠について、ユニークな語り口でお話をいただきました。

ご講義のあとは、渡辺修一郎先生にもご登壇いただき、参加者とのクロストーク。ご質問、ご意見を活発にいただき、盛り上がりました。

参加者は33名。ご遠方から初めて参加された方もあり、新しい仲間との出会いも嬉しい研究会でした。

会場は、桜美林大学千駄ヶ谷キャンパスをお借りしましたが、いつものクラスルームではなく、ホールでしたので、プロジェクターやマイクの設備もばっちり。ちょっとおしゃれな空間で、それもまたナイス。落ち着いた雰囲気で充実した時間を過ごすことができました。

参加者アンケートでは、次回を期待する声を多くいただきました。是非また実現したいと思います。

第11回「みんなの老年学研究会」開催報告(2019年1月17日)

第11回「みんなの老年学研究会」開催のご報告です。

今回のテーマは、10回に引き続き「高齢者の就労」でした。

まさに就活中の方や高齢者の就労支援に関わる方など、様々な立場からの意見があり、
お互いの視点を知ることができました。

今回は、新メンバーも加わり、総勢16名(柴田先生+参加者15名)の、熱気のある会になりましたこと、御礼申し上げます。
ここ数回、続々と新メンバーにご参加いただいていることもあり、
改めまして簡単に自己紹介と研究会の感想などを
シェアさせていただければと思います。


参加者の感想

★心に残った言葉「継続」「掘り起こし」
参加していただいたみなさんのそれぞれの立場や経験、知見から興味深いご意見を伺うことができ、刺激を受けました。
中でも、心に残ったのは「継続」と「掘り起こし」です。
高齢期の備えとしてはもちろん、フリーランスとして働くいま現在にも、この2つはとても重要なキーワードだと改めて。


第11回 研究会Report

テーマ「高齢者の就労」に関する深堀ポイントを考える

①「生活困窮者自立支援法」の相談窓口における、高齢者の求職の背景と実態

桜美林大学大学院老年学研究科の卒業生で、「品川区暮らし・しごと応援センター」の窓口で相談者の対応をなさってこられた森本真知子さんより、話題提供がありました。このセンターは平成7年4月に生活困窮者自立支援法が施行されたのを受けて発足された65歳以下の相談窓口にもかかわらず、多くの65歳以上の方も仕事を探して来所するそうで、様々な仕事を求める背景について、現実密着型のレポートがありました。

  • 「こんなに長く生きるとは思わなかったから、貯金が減り、年金も少ないし働かないとー」
  • 「年金はあっても、もう大人になった息子がニートや引きこもりなので働かないとー」
  • 「自営業のお店が成り立たなくなり、たたんだので他で働かないとー」
  • 「親が特養に入れないので、高い他の施設の費用を払うには働かないとー」

等々、切実な事情からいくつになっても働かなければならない人が少なくないことを話され、この窓口から高齢者向け無料就職相談所に繋いだり、ネットで仕事探しのお手伝いをしたりしていることを伝えてくださいました。 

②私たちは、高齢者の就労動機の実態をどこまで知っているのだろうか?
 どこにその実態を知るデータがあるのだろうか?

この日の参加者の中には、希望退職した上乗せ退職金や、ライフプランに基づいた老後資金を確保したうえで、次の仕事を求める方などの再就職先をマッチングしている公益財団法人の方もおり、就労動機の切実さがあきらかに違うという感想もありました。

また、中高年の女性たちに向けた上手な生き方をテーマにシンクタンクの活動をしている方からは、この活動に参加する65歳以上の女性たちは、お金のために働くというより、自分らしさの追求で時間を使い、その結果趣味の作品が売れたりすればさらに人生が充実するが、最近は50代ぐらいの女性の中には収入に結び付く活動が必要になっている方も増えてきているといお話があり、一見、富裕層であっても、時代とともに経済事情がじわじわと違ってきていることも実感させられました。

これらのお話だけでも、高齢者の就労と一口に言ってもその動機も背景も実に幅が広く、困窮のために働きたい群と、より自分らしい生き方のために働きたい群と、定年してもまだ引退は早いので仕事を探している群と、その他さまざまな理由の群と、どの群にどれくらいの求職人口がいるのか正しく知ることがまず私たちが突き当った初めの課題、宿題であることを確認しました。

また、それぞれの群に見合うような仕事の求人が群の種類だけ実際にあり、マッチングできるのか。なければ仕事のありそうなフィールドにうまく人をマネージングできるのか。さらに、仕事を作り出す(プロデュース)することはできないか。

これからの高齢者の就労支援には、「マッチング」「マネージング」「プロデュース」という3つのキーワードがあり、それぞれの課題別に好事例などを把握しながら広める取り組みが必要なのではないか、という一つの結論も出た研究会となりました。

  就労(プロダクティビティ)のためのスキル向上も含めて、
 『生涯発達』のカギは、継続である。

最後の柴田先生の老年学的まとめには、参加者全員が深く納得!

もう一つのこの日の話題は、高齢になっても働き続けるには、能力維持をどうするのか。そもそも能力維持がずっとできるのか、というテーマでした。

「60代後半、70代、80代となれば、若い人と競争はできない」というのも事実でありながら、女子大で英文学の先生を長く勤め、70代の今、小学校で英語指導の補助をしている方から、「おばあちゃんだからいいこともたくさんある」というお話をしてくれました。英語ができるできないより、学校生活で人間性を養うという面では、現役で時間的、精神的に余裕なく100%で働かなければならない先生より、おばあちゃんの出番。生徒のほうも面白がって、甘えながら楽しく頑張ってくれるとか。

この話を受けて出たのが、「仕事のスキルや稼ぐスキルって、高齢になるほど“生きる力” や“器用さ”がものをいうと思う」、という発言です。 「ずっと主婦できて、特別なスキルはないといえばないけれど、

器用に着物のリフォームを始めて、仕事にしている人もいます」。たしかに。そこへいくと、男性は生き方そのものが不器用ですよね。

ところで、老年学的に高齢者のスキル向上の問題をみれば・・・。

「生涯発達」における人格ではなく、スキルの部分に注目したバルテスの理論になります。

柴田先生からこの理論の解説がありました、IT技術やテクニカルといった「結晶性知能」だけでは、その人の仕事能力は測れず、一見技術だけにみえる仕事でさえも、「歳をとっても落ちない言語性知能」が陰で大きく働いている。以前、若いタイピストと高齢のタイピストはどちらが速くタイプできるかという実証をしたところ、予想は、やはり指の動きがだんだん鈍くなるので、若い方にはかなわないというもの。ところが、高齢者のほうが次にくる単語の予測能力が高いので、完全ブラインド打ちができなくなっても、

若い人にも劣らないという結果だったそうです。初めから、かなわないと思うか。その分何処でカバーできるか、己を知り、持てる能力を最大限にうまく使う知恵があるか。それがスキル高低の分かれ目であることを再確認させられました。

そして最後に柴田先生の「生涯発達」理論が登場! 先生は長年スーパー老人といえるような、年齢をかさねても高い実力とますます魅力的な仕事ぶりを示す方々を取材し、本にしていらっしゃいます。2016年には世界最高齢、当時95歳の現役ピアニスト、室井摩耶子先生を取材し、生涯発達を続けていらっしゃる方々の秘密を解明しました。 さて、その秘密とは? 何だと思いますか?

「継続です」。「新しいことにチャレンジしないと脳が鈍くなる、みたいな話がよくあるが、そうじゃない。生涯一つのことを継続し続ける挑戦。日々、“熟達”を目指す挑戦にこそ、生涯発達のカギがある」。「室井さんは毎日同じ音譜を弾いても、常に新しいものを発見している」と。

迷わない。揺らがない。そんなスピリットが腹に座ったとき、人生は深みも、高みも増すということを教わった日でありました。

(文責 発起人・萩原真由美)

第10回「みんなの老年学研究会」開催報告(2018年11月13日)

第10回「みんなの老年学研究会」開催のご報告です。

今回のテーマは、「高齢者の就労」です。

議論の前に、高齢者の就労実態についてある程度共通イメージを持つことを目的に、下記資料のお話しがありました。

シニア就労について


ディスカッションで出た意見

  • 感謝しながら働く高齢者の姿が、若いスタッフの人材育成に役立っているのではないか?
  • スポットライトが当たるのは、輝くシニア。でも、現実はもっと厳しいのでは?
  • 「仕事をしないと満足な生活ができない」という国の施策に問題があるのではないか
  • 高齢者が増えれば「能力」に対する意識も変わっていくのでは?
  • 高齢者の就労は果たして、社会に役立っているのか?
  • 高齢者の就労をめぐる「意識の差」をどう考えるか
  • 加齢にともない、失われていくスキル、失われないスキル。
  • 失われていくスキルをどう補うか?
  • 高齢期、どうスキルアップするのか? 若いときと同じではないとすればどうすればいいのか。
  • IT活用でフォローできる部分もあるのでは?
  • 世代間の問題をどうとらえるのか

などなど。

上記は前回のディスカッションのごく一部を切り出したものですが、「高齢者の就労」をめぐり、さまざまな切り口、視点が登場しました。

次回はここからさらに一歩、それぞれの現場でのご経験や

知見を持ち寄りながら、議論を深めていければ幸甚です。

第9回「みんなの老年学研究会」開催報告(2018年9月15日)

第9回「みんなの老年学研究会」開催のご報告です。

今回のテーマは、「死の受容」あるいは「死を語ったり、考えたりすることの意味」です。

超速タイピングのライター島影が、実況Twitterをしています。研究会を再体験でき、ハラハラ・ドキドキを味わえます。

↓ こちらをクリックすると、ツイートされた記事を一覧で読むことができます。

●第9回「みんなの老年学研究会」まとめ(2018.9.15)


参加者の感想

  • 参加者H「終末期のケアも葬儀や埋葬も、つまり死との付き合い方もいろいろなパターンがあると話し合えるようになってきたのはすごくいいことなんじゃないか」
  • 参加者I 「子どもの頃、その辺にセミの抜け殻が転がっていたら、蟻がどこからともなくやってきて連れて行って片付いた。でも、今はマンションの前の転がっているセミの抜け殻は、管理人さんが片付けるまでそのまま。誰も片づけようとしない。都会の孤独死を思い浮かべる」
  • 参加者I 「ある地方の小さな村では、終末期にも死の始末にも選択肢はなくて。蟻が集まってくるように、一人暮らしであっても、村人が集まってきて弔う。からだがきかなくなったら、村にひとつある特養に入り、卒業したら村人が集まってきて……いつのまにか片付いている」

幹事からのお知らせ(島影)

いつもお世話になっております。
「みんなの老年学研究会」連絡係の島影です。

先日の第9回研究会ではありがとうございました。
研究会顧問を引き受けてくださった渡辺修一郎先生を始め、多くのみなさんにご参加いただき、活発な議論が交わされました。
その様子をTwitterで実況したものをまとめたものをお送りしています。

第8回「みんなの老年学研究会」開催報告(2018年7月7日)

第8回「みんなの老年学研究会」開催のご報告です。

今回のテーマは、「高齢者と運転免許」です。

超速タイピングのライター島影が、実況Twitterをしています。研究会を再体験でき、ハラハラ・ドキドキを味わえます。

↓ こちらをクリックすると、ツイートされた記事を一覧で読むことができます。

●第8回「みんなの老年学研究会」まとめ(2018.7.7)


参加者の感想(萩原真由美)

今回も、参加者お一人お一人の的確な視点とご意見にどれも頷かされることばかりで、勉強になります。

回を重ねるごとに、どなたからのご意見やご発言にも「老年学的視点」が深くなっていらっしゃる気がして、研究者や学術の世界から芽を出して、市井の老年学が芽生えているのではないでしょうか。(実に、編集者的感想ではありますが)

最後に、1つだけ。「運転寿命の延伸プログラム」の研究を進めているのは、国立長寿医療研究センターです。

参加者全員、柴田先生の最後の老年学的視野からのまとめの深さが心に響いております。引き続き、先生にはご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

萩原真由美

第7回「みんなの老年学研究会」開催報告(2018年5月13日)

第7回「みんなの老年学研究会」開催のご報告です。

初めての日曜開催です。これまで、平日の夕方でしたが、柴田先生の大学のご講義等のご都合や、ご参加の皆様のご意向により、2か月に1回の土曜または日曜開催ということになりました。

今回のテーマは、「高齢者の社会貢献~プロダクティブ・エイジング」です。

人のために力になりたいと思う人ほど健康長寿の傾向ということが、データにも表れているという報告もありました。

研究会中、参加者の発言をリアルタイムでツイートしています。耳では聞き取りにくい用語や、難しい内容も、要約されていますので、どなたにも分かりやすい内容です。ぜひご覧ください。

※超速タイピングと、クレバーな要約は、幹事の島影さんです。

↓ こちらをクリックすると、ツイートされた記事を一覧で読むことができます。

●第7回「みんなの老年学研究会」まとめ(2018.5.13)


参加者の感想(萩原真由美)

今回から先生の一方的な講義だけではなく、参加型にするために事前にテーマを決め、まず参加者から発言。これを受けて柴田先生が老年学の概念やこれまでの研究を紹介しながらまとめてくださる形式です。前回まで、無口だった方々も発言されれば、実にしっかりした見解をお一人お一人もっていることに、私だけでなく、その場にいた誰もがお互いに感じあっていたのではないでしょうか。

今回のテーマは、「高齢者のプロダクティビティ」。プロダクティビティは、お金に換算できる生産性という意味だけは決してなく、「社会貢献」という言葉に置きかえられるのではないか。この理解の前提で議論が始まったものの、「プロダクティビティをどう捉えるか」についてのやり取りだけでも、その及ぶ範囲はまさに想定外の広さと深さで・・・、それはそれは面白い!発見だらけ! のひとときでした。

柴田先生からは、「介護をするのではなく、介護される側になっても、人は立派にプロダクティビティな存在であれる」というお話に、「なるほど」と頷くやいなや、議論の器はあっという間に広がり、「“死”や“おくり”の場に、そして“回忌”の場に、人は集まり、故人が残してくれた目に見えない大切なものが継承されていく。そんな循環を次世代に繋ぎながら死んでゆくことを考えれば、人として生まれて死んでゆく存在そのものがプロダクティビティなのではないか」と。既成概念に捕らわれない発想と発言ができる研究会ならではの提言もありました。う~ん、どうせ死ぬなら、循環の役割をきっちり担い、プロダクティビティな死に方をしたいものだと思ったのは私だけでしょうか。

しかも、今回すごいのは、このような発言の様子がツイッターで同時公開されるという、超素晴らしい試みがなされたこと。もう、ビックリです。

すでにその内容も「みんなの老年学研究会」のホームページで公開されています。

ぜひぜひ、ご覧ください。http://gerontology-study.net/

 

次回(7月7日 土曜日 AM10時~12時)のテーマは、

「高齢者の運転免許とエイジズム」です。

これからも進化する研究会に、 乞う、ご期待!

                       (萩原真由美)

第6回「みんなの老年学研究会」開催報告(2018年3月9日)

 

第6回「みんなの老年学研究会」開催のご報告です。

  • 開催日:2018年3月9日(金)18時半~
  • 参加者:9名
  • 今回のテーマ:

前半に柴田先生より、「超高齢社会におけるキー概念」として、

  • 健康度自己評価
  • Productive Aging

についてお話いただきました。

この内容のまとめは、みんなの老年学研究会メンバーのメーリングリストで

配信されていますので、メンバーの方々はそちらをご確認ください。

 

また、後半は研究会メンバー同士で改めて専門分野や活動フィールドを紹介しあい、関心のあるテーマについて話し合いました。

 

参加者のみなさんが挙げてくれた「関心のあるテーマ」を一部抜粋してご紹介します。

・高齢者の新規就農

・高齢者雇用と労災

・高齢者とメディア

・江戸時代の認知症

・「高齢者の万引き」と老年学

・シニアでもできる仕事ではなく、シニアならではの仕事の仕方

・高齢者の「飲む、打つ、買う」

・高齢者がレクリエーションダンスを行う効果

・高齢になっても働き続ける、雇われ続けるにはどうすればいいのか

・加齢により引き起こされる障害と治療薬との関連

・いかに生きて死ぬか

・高齢者の美容&化粧品市場と老年学

・高齢者と自己承認、娯楽、恋愛、性愛

・新設された英国の「孤独担当大臣」と老年学

・東京オリンピックと老年学

・日本で叡智の研究が進まない理由

・サクセスフル・エイジング、プロダクティブ・エイジング研究の意味

・高齢者がふさぎ込みや孤立化から抜け出す思想法

など。

 

今後はみなさんが挙げてくださった関心テーマの中から、毎回1~2テーマをピックアップ。前半はそのテーマに対して、全員でディスカッションを行い、後半は柴田先生から関連内容をお話いただくというスタイルで進める予定です。

 

次回の研究会は5月13日(日) 午前10時~12時(場所:桜美林大学四谷キャンパス)に開催予定です。ご興味のある方、参加ご希望の方は、みんなの老年学研究会事務局(gerontologystudyinfo@gmail.com)までお気軽にお問い合わせください。