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研究会のご案内<オンライン> 9月18日(土)

第21回 みんなの老年学研究会

■9月18日(土)14:00~16:00 (オンライン)

■テーマ : 「生涯現役ハウスの取り組みに注目!」

 生涯現役ハウスは、空き家を活用したまちづくり協創事業で、メインテーマは「シニアの仕事と住まい」です。今年の3月に江戸川区との連携により第1号シェアハウスがープンしました。これからの新しい社会の形として、目の話せない取り組みです。

 今回は、この取り組みを推進する 一般社団法人生涯現役ハウス  の代表理事・持田昇一氏にお話しを伺い、その後質疑応答を含め、討議を行いたいと思います。

 

ようこそ生涯現役ハウスへhttps://youtu.be/UEkh9QlIl9s

 生涯現役ハウスビフォーアフター https://youtu.be/wfYQ3U4fzZU

生涯現役ハウスのSDGsの取り組みhttps://youtu.be/GK-6zOFlLZk

6月6日開催『死の授業』へのご質問の回答を掲載しました。

『死の授業』へのご質問の回答をお届けいたします。

長らくお待たせしてしまい、大変申し訳ありません!

先生方には研究会開催後に迅速にご回答をいただきましたが、事務局作業遅延で掲載までにこのよう時間がかかりましたこと、深くお詫び申し上げます。

当研究会では、今後もACPと満足死に関して検討を続ける努力をするつもりです。どうか、今後ともよろしくお願い申し上げます。

掲載は、研究会報告のページに追加いたしました。先生方には丁寧にお答えいただいております。ぜひご覧ください。

「みんなの老年学研究会」公式LINEアカウントができました!

★「みんなの老年学研究会」公式LINEアカウントかできました
https://lin.ee/UVMq34H

みんなの老年学研究会では、今後も同様のテーマに関する情報やイベントなどを企画し、多死社会の中で人任せにしない、後悔しない「生き方」「死に方」を皆さまと一緒に考えていきたいと思っております。公式LINEアカウントを通じてお知らせなどしていければと思いますので、ぜひご登録ください。

オンライン研究会のご報告(2021.6.6) 公開講座「死の授業」パネリスト・関連サイト情報

みんなの老年学研究会・公開講座「死の授業」開催報告

2021年6月6日(日)14:00~16:00

 みんなの老年学研究会・発起人の萩原眞由美です。昨年春に開催するはずだった同講座をどこまで待ってもリアル会場開催は無理と見切りをつけ、オンライン開催に切り替え、ついに実現しました。内容も講師の前田先生に無理を申し上げて今年版にバージョンアップしていただき、コロナの蔓延でさらに切実になっている「死」にどう備えるのか。ただ恐れるのではなく、後悔しない死に方、送り方の提案をしながら、そのためにこそ、家族の物語を紡ぐ道のりとしての「人生会議(ACP)」の必要性を伝えよう。そんな打ち合わせから交わしていた共有の思いを、第1部で見事に前田先生がお話してくださいました。

 また、第2部のパネルディスカッションでは、柴田先生や渡辺先生から、「老年学」や「死生学」から考える、「死」のとらえ方や「死」への備えのヒントと、これからの終末期医療には「ナラティブ・メディスン」や「ナラティブ・セラピー」が必要であるというお話がありました。そして在宅医療の現場で年間40人ほどの患者さんを看取っているという荒井先生からは、一人一人違う「幸せな死のものさし」についてのお話があり、お義父様の別居介護・死別・葬儀と体験した島影先生からは、高齢の認知症でも、病状が低下する終末期でも、「どうしたい?」とじっくり、ゆっくり聞けば、ご本人の意思で答えを出してくれた体験実話が。また最後の病状や意思決定レベルの変化、心情は誰にも想像がつかず、たとえ医師であってもわからないこと。でも「わからないですね」と、家族と一緒に悩んだり考えたりしてくれる先生がいいという経験知ならでのお話も。

 もう少し時間があれば・・・、という思いにかられながらの閉会でしたが、最後まで大勢の方にご視聴いただき、誠にありがとうございました。また、ご協力いただきました先生方にも深くお礼申し上げます。

参加お申し込み215名、オンライン会場参加者136名 (残りの方々がこれからのアーカイブ配信ご視聴予定者と思われます)

ご回答しきれなかった質問の回答は、近日中にみんなの老年学研究会公式サイトに掲載予定です。

みんなの老年学研究会は、これからもみなさまのお力をお借りしながら、活動を続けて参ります。今後ともよろしくお願い申し上げます。

「死の授業」へのご質問の回答

【回答】  

大変難しいテーマですが、いろいろ精神的な問題を抱えた高齢者と接することが多い老年病の専門医として日頃から心していることを述べます。結論をいうと、相手の方に対して一方的な保護者の立場に立つのではなく、仲間として対等に付き合う気持ちが大切です。そもそも認知症になる前から、高齢になった人生の先輩には、このような尊厳の気持ちをもって接していなければ、人生会議で取り上げるような話題について、「どうした いですか?」「ハイですか、いいえですか」のような聞き方をしても、答えてもらえるものではありません。ご本人である当事者と人生会議ができるのは、日々、尊厳をもって接し、言葉を交わしている中から、ご本人の希望や選択をあらかじめ受け止めている人である、という仮説が考えられます。 この意味でも、日頃から以下のような前提で高齢者と接することで、認知症になる前や、たとえ認知症の疑いがあると思われる方でも、その方の意思を察しながらコミュニケーションできる関係を築いてください。

 

その方の人生と現状に対する尊敬心を失わない。どのような精神知能の状態にある人も人生の先輩でありプライドを持っています。

 

残存能力を大切にする。最近のことは忘れても、過去のことはよく覚えています。認知症であり ながら、声楽に勝っている方もいるし、将棋の有段者もいます。こちらの方が、その方の経験と 見識を学ぶ気持ちが大切です。

 

サポートは、部分的にして、能力の回復を心がける。調理の能力は失われても、御飯をよそう 能力は残っている場合もあります。買い物をしてきてあげるよりも、一緒に買い物に行って、陰からサポートする方がベターです。

 

(桜美林大学名誉教授 柴田 博)

【回答】

半世紀くらい前から、アメリカを中心に生命倫理学という学問が広がってきました。この中に死の自己決定=尊厳死の考え方が含まれています。私が述べたように、これはハイデッガーの「存在と時間」に展開されている学理によっていると解釈されています。しかし、現象学の創始者フッサールの弟子でかつ弟分のレヴィナスはハイデッガーに反対し、「死との関わりは、他者との関係の中に何か少し見えてくるもの」と述べています。

私自身は、このレヴィナスの考え方に賛成 しています。 最近の“Death Cafe”“人生会議”“ACP”などの考え方はハイデッガー的であるよりもレヴィナス的であるように思います。医学の世界でも最近は narrative medicine の大切さが強調され、「語り」「語り合い」の時代に入ったと いえるでしょう。回数を重ねながら、質問者の言う「繰り返し」の語り合いで意思決定者を委ね、医療ケアの幅も、選択肢も広げていく時代になったと感じています。

(桜美林大学名誉教授 柴田 博)

【回答①】 

浜松市の人生会議手帳はおすすめです。明るい内容から入ることができ、ケアのメリット・デメリットを踏まえて選択できるようになっているのが特徴的です。

https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/88983/jinsei-kaigi-tetyou.pdf

(㈱ハレ/かなえるナース 代表取締役 前田和哉)

 

【回答②】 

私が特別に、使っているものはありません。

書面に残すことは、身寄りのない方など、ACPに参加し意志決定の代理人となってくれる方が見つからない場合の備えとしては、意義が大きいと思います。しかし、個人的には、書面に残すことは、必ずしも重要ではないと思っています。もちろん、意味が無いとか、やらない方が良いということではなく、不明確なことを確認するのにも意味がありますし、我々支援する側は、たくさんのACPに関わりますから、一人一人をしっかり覚えておくというのは難しいところもありますので、要点の記録(自分たちの記録:将来本人に示す目的ではない)を残しておくことは重要だと思います。

ただ、“将来に、当時の意志を証明するために”という意味では、有効性に限界があることにも注意が必要だと思います。というのも、人の意志は、いろいろな要因(時間、病状、社会情勢等)によって、変化するからです。例えば、数年前の書面をもって、こうしましょうと言われても、自分だったら戸惑います。また、代理人の意志でさえも、数年前の書面に書かれた本人の意志(+代理人も同意?)と、方針を決めるときには変わっているかもしれません。その時に、改めて相談させてほしいです。もちろん、“方針を決定するときに、代理人(ACPの共有者:本人にとっての大切な人)が、本人の意志が不明確にならないように”書面に残すというのは意義があるでしょう。しかし、それはACPとして不十分(書面を見ないと分からないほど、不明確な結論だった?)と言えるかもしれません。記録は残しつつも、書面より、(代理人となる方をはじめ、参加者全員の)心に残るACPを目指したいです。

           (生き生き診療所・ゆうき 院長 荒井 康之)

【回答①】

まずはこれまでのご苦労をお察しいたします。人生会議はスムーズな人間関係あってこそだと、実感しています。人生会議を中期的なゴールとして、ご家族様との関係を良くする道があるのか改めて、そこの解決に着手するのが近道かもしれません。

アドラー心理学を用いた親との向き合い方に触れている、こちらの書籍を一度ご覧いただいてみるのはいかがでしょうか? 

「アドラー式 老いた親とのつきあい方」 https://amzn.to/3pELYFn

(㈱ハレ/かなえるナース 代表取締役 前田和哉)

 

【回答②】

難しいケースですね。でも、実際には少なくありません。関係性が悪い理由、当事者とご家族の距離感などによるので、ケースバイケースで、申し訳ありませんが、明確なお答えが出来ません。一概に言えるものではなく、ケースによって、最善を探ります。ただ、私は、そうした関係性も含めて、当事者の人生・価値観だと考えています。よほど無理にご家族を引き合わせる方が、ストレスになる可能性もあるため、現在のご本人の思い(会いたくない、頼りにしたくない)という気持ちも、尊重したいと思っています。

(生き生き診療所・ゆうき 院長 荒井 康之)

【回答①】

緩和ケア病棟に入ってからというのは、難しいですね。緩和ケア病棟に、発症後直ぐに入るという方は少なく、多くの場合は、それまでに一定の時間があると思われます。その間にACPを行なっておくというのが、まずは目指したいところです…。が、それも難しいというのが現実かもしれません。とはいえ、緩和ケア病棟では、目の前に思い悩む方がいらっしゃるので、過去を悔やんでも仕方なく、それを支えていかなければならいという苦悩も分かります。

私としては、思い悩む相手に、寄り添うということを大切にしたいと心がけています。ここでは、正解が一つではないところ(どこに重心を置くかで、正解が変わるもの、あるいはそもそも正解がないもの)を扱っています。だからこそ、難しいのだと思います。相手の苦悩を聞いたり、助言したり、寄り添う姿勢を続け、頼りになる存在でいることが、患者さん・ご家族への安心・癒しにつながるのだろうと思っています。ついつい、僕らは、“何かしてあげたい”と思いますが、心理的に不安定な状況にある相手に、こちらが相手のことを十分に理解できていないまま、その何かを行うと、それが余計なことになりえることにも注意しています。何かしてあげるということよりも、相手に寄り添って“存在していること”にも、意味を持てるような、日ごろからの関わり・ケアを目指したいと思っています。

(生き生き診療所・ゆうき 院長 荒井 康之)

 

【回答②】

緩和ケア病棟でも、そのような場面は数多く見られているのですね。日々のご苦労をお察しいたします。看取りの段階まで来て、できることは少ないと思いますが、家族の負担を軽減するという意味では、ヒントになりそうなことはあります。アメリカが主導してインフォームド・コンセントの時代になり、医療現場での意思決定は本人、家族に委ねられるようになりました。しかしフランスなど、現在も医師が主体となり、意思決定を進めている国があります。時代遅れかと思いきや、研究の結果によると、「他者に決めてもらったほうが、遺族の心理的な負担は軽減される」のだそうです。シーナ・アイエンガー著 「選択の科学」 にそれに触れる記載があります。https://amzn.to/3pGR8Ry

人生会議が十分に済んでおらず確認が難しい場合は医療従事者が選択を促してあげるような関わりが(一般的にはこうするよ、など)家族にとっても救いになるのかなと思っています。本題とはずれるかもしれませんが、参考になれば幸いです。

(㈱ハレ/かなえるナース 代表取締役 前田和哉)

参加者アンケート

Q3 参加のきっかけについて教えてください。

55.6%(青の部分)が、「医療従事者なので、気になるテーマだった」と回答。
30%(濃黄の部分)が、自分や家族のこれからを考えるうえで、気になるテーマだった」と回答。
7.8%(赤茶の部分)が、「介護従事者なので、気になるテーマだった」と回答。

 

以下、

  • 気になるテーマ、自分のオンラインサロンの課題として。
  • 友人が出てた
  • 終活を主に取り組んでいるFPなので。
  • 今、取り組んでいる研究テーマに近かったから。
  • ボランティア関係で、必要な知識。
  • 自分の研究テーマのため。

Q5 本講座に参加していただくにあたっての「ACP(人生会議)」への関心・実践状況について教えてください。

45.6%(赤茶の部分)が、「関心はあるが、実際に何かを書いたり話したりするなど実践したことがない」と回答。
33.3%(濃黄の部分)が、「実践したことがある」と回答。
13.3%(青の部分)が、「聞いたことはあるが、まだよく知らなかった」と回答。

以下、

  • 人生会議は「実践」「書く」ものなのでしょうか?
  • 業務の中で、家族に伝えています。
  • まったく知りませんでした。母が認知症になりかかっていますが、ACPに耐えられるのか想像がつきません。
  • ACPは、やったことはないが、親の件でそういう場にあった。
  • 正式なものではありませんが、そういう場面の話が出た時に、考え思いを伝えています。
  • 介護施設でも取組中だが、まだまだ検討していく必要があると思っています。
  • 不勉強のため、初めて知りました。

公開講座「死の授業」パネリスト・関連サイト情報

老年学や、ご登壇いただいた先生方のご活動などをもっとお知りになりたい場合は、下記ホームページをご覧ください。

前田 和哉 先生
かなえるナース | 夢を叶えるプライベート看護サービス

https://ha-re.co.jp

===========================

桜美林大学大学院 老年学学位プログラム

老年学学位プログラム

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柴田 博 先生

日本応用老年学会
https://www.sag-j.org

===========================

荒井 康之 先生

 生きいき診療所・ゆうき/医療法人アスムス

http://www.asmss.jp/iki-sin.html

===========================

島影 真奈美 先生  

これからの老いと暮らしをデザインする

一般社団法人マリーゴールド

happymarigold.com/

引き継ぎノート部

http://hikitsuginote.com/

研究会のご案内<オンライン>6月6日(土)

みんなの老年学研究会・公開講座

終末期に寄り添う看護師が語る! 「死の授業」

オンラインにて開催します

みんなの老年学研究会では、2021年6月6日(日)に公開講座「死の授業」をオンライン開催いたします。

終末期に寄り添い、家族の物語をつむぐために奔走する介護保険外サービスの訪問看護ステーション「かなえるナース」代表の前田和哉さんを講師にお招きし、終末期の心と身体の看護、そして”自分らしく”満足して生き、死を迎える過程についてお話しいただきます。

終末期や看取りに関する仕事や研究をなさってる方はもちろん、そうでない方も、自分の事ととして、親の事ととして、仕事で支援している高齢者の方々の事として、ぜひ、お話を聞きにいらしてください!

▼申込受付終了▼

 

↑ クリックでPDF表示

■概要■

日時:2021年6月6日(土)14:00~16:00 (開場13:45)

会場:オンライン(Zoom) 

※配信用URLはお申し込み時に別途お知らせいたします。

<プログラム1> 「死の授業」

講師:前田 和哉
(保険外型訪問看護ステージョン かなえるナース代表/看護師・保健師)

【主な内容】

  • ACPは死に支度じゃない!
  • 最後まで満足して生き抜く自信ありますか?
  • 終活じゃ、結局家族が困る
  • 多くの人が知らないたくさんの選択肢
  • コロナ時代だからこそ知っておこう!
  • 「満足死」の条件とは

<プログラム2> パネルディスカッション「老年学と終末期の選択」

【パネリスト】

柴田 博 (桜美林大学名誉教授)

渡辺 修一郎 (桜美林大学大学院教授)

荒井 康之(在宅看取りを支える医師)

前田 和哉 (訪問看護師)

島影 真奈美 (介護体験本著者)

オンライン研究会のご報告(2020.12.6)

●日時:12月6日(日)15:30~17:30

テーマ:死生観光トランプで、楽しくデスカフェ!

(参考)死生観トランプとは
↑クリックして外部Siteを表示

<参加者のご感想>

遠藤 勇さん

今回は死生観トランプを使って、死生観から老年学を考えるセミナーでした。
コロナ禍ということもあり、本日もZoomミーティングです。

まず、死生観トランプから自分の好感カード、嫌悪感カードを選びます。
世界の死生観なので様々です。宗教や生活習慣によってなんでしょうが、ありえない!!と言ったものもありました。
そして、それについて何故そのカードを選んだのかを説明します。
その後、死生観の絵を描きます。
これが、絵が下手な私には難しかったのですが、絵にしてみると自分の意識が鮮明になりました。
その後、グループに分かれ自分が描いた絵を説明し、それについてコメントしていただきます。
自分の死生観を他人がどう見るのか、興味深く大変参考になりました。

柴田先生のコメントに人間を殺しているのは1番が蚊、2番目は人間というコメントは大変考えさせられました。
軍事費を他のことに使えないのかという意見も賛成です。

下記は渡辺先生からの紹介サイトです。

防衛費  https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_yosanzaisei20191220j-07-w390

世界の軍事費  https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20200509-00176794/

人間の天敵  http://eedu.jp/blog/2014/05/04/world-deadliest-animal-mosquitoes/

今回の勉強会で死生観から生を見つめ、そしてそれが老年学にも通じている。老年学の認知向上が大事なことだと改めて思いました。

ありがとうございました。

5/5

梅津 順江さん

本日の研究会は、オンラインでのデスカフェ。

ワカゾーという若い僧侶の有志団体が制作した「死生観光トランプ」を用いてのワークショップでした。「自分が共感できると思うカード」と「自分の感覚には合わないと思うカード」を各々が1枚ずつ選んで、死生観について語らいました。

皆さん、選んだカードは違いましたが、共通した死生観が垣間見れたことがとても興味深かったです。「自然に返る」「無になる」などの言葉が頻出したり、「南米の死生観は日本人にはフィットしない」ということにうなずいたり‥とても盛り上がりました。

「死生観」は身近ではないですし、重いテーマですので、普段は避けてしまいがちなことです。どちらかというとタブーな話題という感じがありましたが、今日はトランプゲームが入り口だったからか、構えず気楽に話せました。それでいて、話している内容は案外深い・・。各国の歴史や文化に触れることができましたし、先生方からは哲学的な思想を聞くこともできました。

参加して良かったです。ありがとうございました。

研究会のご案内<オンライン> 12月6日(日)

日時:2020年12月6日(日)15:30 〜17:30(Zoom開催)

テーマ:死生観光トランプで、楽しくデスカフェ !

2020年最後の12月の研究会は、デスカフェ で締めくくろうかと考えています。死に目にも会えないコロナの死を耳にして、誰もが多かれ少なかれ、死や死に方について考えた年だったのではないでしょうか。

そこで、年の終わりにデスカフェ です! ちょっと話題の死生観光トランプで、自らの死生観を見つめ直し、最後まで主観的幸福感の高い人生を生き切れるのか、ワイワイ楽しく語り会ってみませんか?

 

(参考)死生観トランプとは…

https://higan.net/now/2020/09/deathtravelcards/

 

🔶Zoom会議室URLは、開催1週間前ぐらいをメドにお知らせします。

🔶お申し込み
お問い合わせフォームよりご連絡ください。

オンライン研究会のご報告(2020.10.11)

●日時:10月11日(日)14時~16時

●講師:「英語発音体操」 英語発音体操の会 杉本享子氏

●講師:「オーラルフレイルについて」 東京医科歯科大学歯学口腔保健学科長 荒川真一先生

今回は、研究会メンバーである杉本享子さんに、  お口の健康に役立ち、英語の発音のブラッシュアップにもつながる「英語発音体操」をご披露いただいた後、 東京医科歯科大学の歯学口腔保健学科長である荒川先生に「オーラルフレイル」についてお話いただきました。

<参加者のご感想>

田邊和子さん

杉本享子先生、荒川真一郎先生、ありがとうございました。
おふたりの情報満載のご講義、とてもためになりました。つくづく我が顔・口・喉をもっと鍛えなくてはいけないと痛感致しました。確かにみんな筋肉でできているのですから、筋トレすれば、必ず効果はあるはずですね。

「オーラルフレイルを制するもの、すべてのフレイルを制す!」

出席できなかった方のためにご講義の一部を紹介させていただきます。
杉本先生のお話は、ご自身が開発なさった「英語発音体操」に基づいた顔の筋肉、呼吸法と英語の発音の関係に着目したお話でした。顔の筋肉を鍛えてフレイルを予防するのと同時に、英語の発音も改善しようという欲張りな体操です。キーワードは、「たこやき」「りんご」「うどん一本」です。「たこやき」は、頬の筋肉を象徴しています。「いー」と思いっきり横に口を引っ張って発音して鍛えます。「りんご」は、口を大きく開ける動きです。りんご丸かじりの気分で「あー」と声をあげます。「うどん一本」は、口先をきゅっと閉める動きです。「うー」と口の奥を使って発音します。まじめにやると結構疲れます。これを何度もしたら、英語の「pot」をお腹の底から発音してみてください。Native speakerのような発音になっています。ウキウキした気持ちになって、心も顔も若返る英語教室でした。

荒川先生のお話は、島影さんの感想を引用させていただくと「断片的であった知識のすべてが繋がりを持って見えてきた」というように、口周りの動きと機能についての体系的なお話でした。口腔内の歯や舌、そして顔や顎の筋肉と唾の関係など、嚥下と咀嚼に関する運動が全部関係していることがよく理解できました。中でも噛むことの重要性について、私は、しみじみと考えさせられました。私たちの文明って、本当に発達しているのでしょうか。怠惰な道をまっしぐらに走っているだけなのではないでしょうか。

さて、講義で紹介された咀嚼に関するクイズです。

以下は、時代別の一回の食事で噛む回数です。

  • 弥生時代 4千回 (木の実など食べていたためです。)
  • 鎌倉時代 3千回
  • 江戸時代 1千回 (うどん・そばが出現したため急減しました。)
  • 現代   ?   (何回だと思いますか? 答えは、600回です。)

今からでも遅くありません、固いものを食べ、歯磨きに精を出し、入れ歯の手入れをよくし、朝起きたら、耳の下、顎の下の唾液腺を押してたくさんのつばを出してから食事をしましょう。そして、昼間には、一秒間に「ぱぱぱぱぱぱ」と6回言う練習をすれば、効果的なフレイル予防ができます。フレイルに迎え撃つ自信が持てたお話でした。

平澤 奈保子さん

「目からウロコのオーラルフレイル予防」とても興味深い内容でした。有難うございました。島影さんが最後の感想で述べられたように、”口腔ケアと認知症との関係”の様に今まで断片的には知っていた知識が繋がる内容でした。老年学を「お口の健康」(オーラルフレイル予防)という観点から見ると、新たな可能性がまだまだある事に気づけました。

  今回の研究会は体験型ワークショップのような趣で、今までに経験したことのない研究会でした。特に柴田先生のお顔のアップの画像で、先生の英語の美しい発音とオーラルディアドコキネシス テストで素晴らしい滑舌の良さを聴くことが出来たのは、Zoomでの研究会の思いもかけない恩恵でした

 

杉本享子先生の『英語発音体操』

  柴田先生が、「英語発音体操』を「日本人の声の出し方と欧米人の額に響かせるベルカント唱法声の出し方(筋肉の使い方)の違いに着目した事は今迄の英語教育にはなかった画期的な視点」だとご指摘をされた通り、英語学習という点からみても素晴らしい体操でした。そして何より、Zoom上で皆で超真剣に大きな口を開けて大きな声での発音練習は、レクリエーションとしてもコロナ禍の憂鬱を吹き飛ばす位楽しかったです。

 英語発音体操の①母音体操②子音体操③強弱リズム体操の内、 今回は、表情筋に効果のある①の英語の母音7つ+子音Wを指導して頂きました。イ:作り笑いの口、エ:イの口のままたこ焼きのほっぺ、ア:リンゴ丸かじりの口、ウ:うどん一本分の口等々の説明がとても分かりやすく、本当に楽しみながら参加できました。そして、短時間でも、顔中の筋肉が痛くなるくらい効果的な筋肉トレーニングでした。こんなに使っていない筋肉があるの(使わずに過ごしていたの)だと、改めて実感すると共に英語発音体操の効果が実感できました。

東京医科歯科大学 歯学口腔保健学科長 荒川真一先生の「オーラルフレイル」のお話

   オーラルフレイルについての分かりやすい説明と、その予防のためのオーラルケアの行い方の実践指導はとても興味深いものでした。荒川先生に最新の情報を分かりやすい言葉で端的にご説明して頂いた事で、高齢期のQOLを高める要因としてバラバラに漠然と認識していた事が、一気に繋がった気がしました。ユーモアを交えた楽しいお話の上に、オーラルケアの実践方法のご指導で、効果が直ぐに実感でき有効性がその場で実感出来ました。Zoomで皆で一緒に体操する事は想像以上に楽しかったです。

・オーラルディアドコキネシス(拮抗反復運動):皆で一緒に5秒 パ・タ・カ(発音)テスト。ここでも、柴田先生が驚異の活舌の良さを披露され、荒川先生にも流石と褒められ基準値の6回/秒を遥かに上回る結果で、柴田先生の身体能力+脳力を改めて実感させて頂き、畏敬の念と共に人間の可能性を再認識させて頂きました。

・舌体操 ①口あけ舌体操・②口しめ舌体操共:舌が攣りそうになりました。舌だけではなく眼を始め顔面後頭部まで全ての筋肉の繋がりが感じられました。

・唾液腺マッサージ ①耳下腺・②顎下腺・③舌下腺:思っているより強く押すよう指にという指示に従いおこなったら、直ぐに唾液が出て驚きました。口が乾くこれからの季節、電車の中等気が付いたらいつでもやってみようと思いました。

・嚥下力強化 ①首の体操・②肩の体操・③嚥下練習:体が軽くなり気持ち良かったです。これも、気が付いたらいつでもやってみようと思いました。

 ケアは、日々の小さな気づき(注意)と日々の小さな積み重ねが大切なのだと再確認させて頂けました。

 最後におまけとして、「身体活動量および強度と死亡率との関係」という英国バイオバンクのコホート研究(96,476人)の最新の研究からの、運動強度が上がると死亡率が下がるという結果と共に、運動量が同じ負荷でも栄養量が上がると死亡率が下がるという結果は、大変興味深いものでした。

 研究会の最後感想で、萩原さんの「全てのフレイルの始まりは、オーラルフレイルからくるのではないか? 老化の始まりの信号はオーラルフレイルから…」という言葉がとても腑に落ちました。臓器の入り口である口腔、脳の周りの筋肉に直接繋がる口腔、人が命を繋ぐために一番重要な呼吸と摂食に最初にかかわる口腔…口腔ケアの重要性と、QOLを高めるための口腔ケアの可能性を再認識させて頂けた研究会でした。

 今回の研究会も大変勉強になりました。有難うございます。次回の研究会もよろしくお願い致します。

松島 光子さん

10月12日(日)の「オーラルフレイル予防」、楽しく伺いました。「英語発音体操」、面白かったです。商法登録されているとはアッパレですね・・・。

恐らく1960年代生まれの世代位までは、学校によっては「LL教室」があって、そこには鏡付デスク(ついでにカセットテープレコーダ付デスク)があって、 その鏡を見ながら発音練習させられていた経験があるかも・・・と思いました。

個人的には、趣味がコーラス(特にオペラ)活動なのですが、コロナ禍で継続的活動がストップしているので、「発音体操」は久々の活動でした。イタリアオペラが多いので、音楽に言葉をのせるために「口の運動」をしているんだなぁ・・・と、思いました。

考えてみれば「声」を商売にしている方って、気づかづ日頃から運動しているんでしょうね。

オンライン研究会のご報告(2020.8.8)

●日時:8月8日(土)14時~16時

●テーマ:新しい生活様式と老年学

●ゲスト:公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団 主任研究員 澤岡詩野先生

 

 

<参加者のご感想>

杉本享子さん

澤岡先生、ご発表、ありがとうございました!
研究材料である貴重な情報を私たちと共有してくださって本当に感謝です!
また、先生のお声と話し方も聞き取りやすく、説明の内容も分かりやすく私のような素人も大変興味深く伺うことができました
今まで声をかけることもなかった同じマンションの住人への思いやり会えないなら絵葉書でと、友人に思いを馳せる気持ち。
Zoomお茶会で顔を見て声を聴いただけでホッとする心
日々の煩雑さの中で置き去りになっていた感情に、図らずもコロナの”おかげ”で気づくことができたのですね
コロナ禍に置かれた高齢者がどんな気持ちでどんな対応をとったかを澤岡先生のレポートから垣間見ることができました先生のご主張のとおり、気持ちや生活様式の変化をIT技術が大きく支えました
その恩恵を受けられるか否かは、生活の質や将来の暮らし方にも差をつけます今後の介護従事者には、高齢者の情報格差を減らすための仕組み作りも求められますね
ただ、当然のことながら、「便利」や「快適」の裏には提供者=支配者の思惑が潜みます
精神科医の斎藤環氏が「自粛の倫理の定着への懸念」というコラム(7月9日東京新聞)で
感染症が政府のプロバガンダに使われてきた歴史に言及しています
また氏は、「パンデミックが過ぎたら、積極的に忘れて”三密”を回復すべき」と主張しています
私も、群れの動物である人類はやはりテレワークよりも、満員電車に揺られてでも一つ所に集まって「触れる」「気配を感じる」ことの方が本来なのだと思います
私は、誰よりもIT技術の恩恵に浴している一人です
30年余、電子技術とIT産業の発展を翻訳という仕事をとおして見てきました
しかし、「便利」の追求の先に人類の存続はあるのかという疑問が近年脳裏をかすめます柴田先生が指摘されたように「地球上で人間の存在を考えるべき」時なのかもしれません
澤岡先生の発表の感想からあらぬ方向へ話が外れてしまい、申し訳ありません!澤岡先生、本当にありがとうございました!
ご著書、拝読いたします
(私も季節の便りには経費と時間を使っています。それでも一昨年前から数百枚のXマスカードをeカードに変えることができました。これもIT技術のおかげですね(^^;)
これからもご活躍をお祈りいたします

 

 

松島光子さん

澤岡先生のお話、初めて伺いましまた。
「新たな生活様式と言いながら、手段が語られている」と言われたのに、「やっぱり」と内心拍手。連日プレス発表される情報の中、高齢の方々は身のまわりに存在する手段や技術を使って、あるいは身につけて、自ら新たな空間や時間を手に入れている事がわかりました。

いつの頃からか葉書を出さなくなってしまっている私、後期高齢者層の先輩方へ二行書き程度の葉書を出して、微々たる「ふれあい」をプレゼントしようと思いました。
柴田先生の「人間の存在を考えるべき時」は、これから生きる為の テーマだと深く感じました。

 

 

オンライン研究会のご報告(2020.6.6)

日時:6月6日(土)14時~16時

テーマ:健康寿命の落とし穴

前回に引き続き、オンラインでの開催でしたが、今回は柴田先生もご一緒してくださいました…!!

<参加者のご感想>

遠田 恵子さん

柴田先生のお話は、いつも私に「反省」を促し、「気づき」をもたらしてくださいます。
反省でいえば、「比較できるデータかどうかの検証が必要」というご指摘。自分の論や主張を正当化するために、都合のいいデータをもってきてはいないか。本来比較できないものを強引に並べ立て、受け手に誤解を与えてはいないか。ミスリードしてはいないか。放送の現場に身を置くものとしては、背筋が伸びる思いがしました。
そして、たとえ寝たきりであっても健康度自己評価が高い人は長生きで幸福感も増すという興味深いお話。何をもって「健康」といい、「幸せ」というのか。深く深く考えさせられます。
この春卒寿を迎えた故郷の母が、自身の健康や幸福についてどんな思いを持っているの か、一度じっくり聞いてみたいと思いました。さん

森本 真知子さん

柴田先生、渡辺先生本日はありがとうございました。調査で本当の実体を表すことができているかどうかを読み解く力の大切さを改めて学びました。これからもご指導いただきたい、柴田先生のお話を伺いたいと切に願うところです。
さて、ウイズ コロナの時代に高齢者が社会貢献を含め、社会活動への参加に変化があるのか、健康寿命との関係はどうなのかを見つめていきたいと思います。また、殿原さんもお話しされたように、「繋がりたい」という気持ちもお互いに強くなったのかと思います。私は今まで話したこともない住民とあいさつ、立ち話、物々交換等が増えました。今までよりも高齢者が地域で心豊かに生活できる時代の到来に期待したいです。
島影様、いつもありがとうございます。フィットネス頑張つてくださいね。


川柳。「おろしたて、服着る機会、オンライン」

<研究会レポート>

2020 6.6    第18回 健康寿命の落とし穴 (出席者数 17名)

レポーター 萩原真由美

 オンラインで交流するみんなの老年学研究会もこれで2回目。なかなか対面で会えない中、お互いの顔が見られるだけでも喜びであるうえ、柴田先生のお話を聞けるのは新鮮で、発見やワクワクも多く、オンライン・トライを続けてよかったの一言です!
今回のテーマは「健康寿命の落とし穴」。

 「健康寿命をどう測っているのか、知っていますか?」という柴田先生からの厳しいご質問に答えられなったところから、このテーマが始まりました。

 国民生活基礎調査の質問票(別紙PDF参照)にある「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問に、1(ADL)日常生活動作、2外出、3仕事・家事・学業、4スポーツを含む運動、5その他の1つでも影響を受けることがあれば、もうそれだけで健康寿命が失われているされる可能性があるらしい。これでは、近頃ひざが痛いからスポーツはできないというだけの人も該当することに気付き、高齢者の大半が該当してしまうのではないかと驚きました。

 厚生労働省のヘルス・ネットには、健康寿命とは「WHOが提唱した新しい指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間」と記されており、「国連の世界保健機関(WHO)は健康寿命という新しい寿命の指標を取り入れました。これまでの平均寿命はいわゆる「寝たきり」や「認知症」といった介護を要する期間を含むため、生涯の健康な時期とに大きな開きがあることが指摘されておりました」とも書かれています。

 つまり、ひざが痛くてもひざサポーターやリハビリ体操などをしながら、日常生活はしっかり自立してこなしている人も、「寝たきり」や「認知症」といった介護を要する期間の人と同じ扱いになるのでは? そんな疑惑と、老化現象が出てくれば、もう健康寿命はなくなってしまうか?という連鎖的???で、誰もが仰天気分に陥った時間がありました。

 しかし、2000年にWHOが健康寿命(health expectancy)という用語を創出した背景には、それ以前にすでにWHOが提唱していた、高齢者の健康は疾病の有無ではなく、「生活機能における自立」を指標とすべきであるという概念を牽引する経緯があった。長生きすれば体の不具合が生じたり、病気になったりしやすいわけですから、「生活機能」を障害しない病気は必ずしも不健康の指標にはならないという考え方であったことを聞き、厚生労働省の前述の表現と大きな乖離があることを痛感しました。

 老化だけで健康寿命を失うことはなく、エンカレッジやレジリエンスを重視する老年学から見れば、足腰に不具合があっても電動自転車があればどこへでも行け、少しヘルプしてもらえばZOOMでいろんなひとと交流もできるような、「道具を活用した自立であっても、周囲の支えに助けられた自立であっても、‘健康寿命’である」との提言に、改めて心打たれたのでした。

 実は厚生労働省も私たちが感じたような疑惑に対し、2018年12月に「健康寿命のあり方に関する有識者研究会」を設け、2019年3月の報告書で日常生活動作、外出、仕事、家事、学業、運動等に制限があるものの、要介護2以上の認定を受けるまでは「日常生活動作が自立している期間の平均(健康寿命の期間)」とする“補完的指標”を提案してはいます。しかし、介護保険データというまったく異なるデータを指標に組み込んでいる点には留意が必要であると報告書の冒頭で述べています。この補完的指標を用いれば、現在、男性約9年、女性約12年と言われた健康寿命と平均寿命との差が、平均約6年になるようです。これがまた、政府が健康寿命と平均寿命との差を3年縮める目標を立てていることと符合してしまうことに、小さな違和感を覚えてしまうのは、私だけでしょうか?

 さて、もう一つ、健康寿命のデータにはすごい落とし穴がありました。それが都道府県別健康寿命比較データです。

 都道府県別健康寿命といえば、年度ごとに「うちの県は健康寿命がよそより長い」、あるいは「短い」と、マスコミをにぎわせる話題のデータです。しかし、このデータはまず、都道府県別の回答率が公表されていません。

 しかも、目からウロコだったのは、柴田先生の次のご指摘。「行政からのアンケートというのは、住民の行政への信頼度によって回収率が異なるものである。行政への信頼が大きいところは、いろいろ行政に協力し、アンケートにも答えておけば、それがまた住民のためのサービスにつながるかもしれないと、一般的には回収率も高くなります。反対に、どうせ何を言っても、何にもしてくれないと住民が思っているところでは、回収率も低くなる」。

 この結果、とんでもない矛盾したアンケート集計が作られることになる危険があるのです。例えば、住民にどんな困りごとがあるかを聞くアンケートが行われたと仮定すると、行政への期待が高いほど、いろいろな困りごとを寄せてきて、行政に期待していないところほど、回収率も低いため、上がってくる困りごとも少なくなります。つまり、行政がちゃんとやっている県のほうが困りごとが多く、やっていないほうが少ない結果に。マスコミはただ「○○県が住民の困りごと数のトップ」と書いて話題にしますから、全国的評判は事実と反対に・・・。

 「健康上の問題で日常生活に影響があるか」という健康寿命に関するアンケートにも、一生懸命真面目に答えて回収率の高いほど、健康寿命を失い、どうせ真面目に答えても見返りがないからと回収率の低い県ほど、健康寿命が長く出るかもしれないのです!? こんな結果を並べて、都道府県別に比較しているのが現状だったのです。

 知らなかったことばかりの今回の老年学の学び。やっぱり時々、柴田先生のお話を聞かないといけないな~、つくづく思わされた研究会でした。

オンライン茶話会のご報告(2020.4.9)

緊急事態宣言下、みんなの老年学勉強会も開催ままならず、試行的にZOOMを使ってオンライン茶話会を開催しました。

パソコン、スマホ、タブレットなど、端末は様々。外出自粛要請を受けての開催ですから、殆どが自宅での参加です。

久しぶりの顔合わせに、笑顔がこぼれました。

テーマは「メチニコフと腸内細菌と老年学。と、私たちの今」 です。

洗濯物がつるしてあったり、ご家族が後ろを通り過ぎたり、生活感あふれる勉強会でありましたが、是非また開催しましょうということになりましたので、近日次のご案内ができると思います。


メチニコフと私たち          (萩原真由美 2020年4月11日)

<今、改めてメチニコフの存在を意識した理由>

 新型コロナウイルス感染症に対して、少しでも免疫力を高めておくには腸内環境をよくしていくことが大事。このような発想から腸内細菌に関する記事を書くことになり、深く痛感しているのは、人間という生き物は、生命体として誕生した時から細菌などの微生物と共存しており、今でも私たちは腸内細菌に生かされているという事実です。

 ご存知でしょうか。日々のウンチの3分の1は、自分の腸の中にいる腸内細菌の死骸だということを。1人の腸内に100兆個とも1,000兆個ともいわれる腸内細菌は、実はものすごいスピードで細胞分裂しており、1個の細菌は3日で死ぬそうです。その次々と死んでゆく細菌の死骸がウンチの中に排泄されているんだとか。常にフレッシュで元気な腸内細菌がつくる消化酵素やある種のアミノ酸、短鎖脂肪酸、ビタミンB群やK、アドレナリン、セロトニンなどのホルモンや、腸管免疫に関する腸内細菌のサポートがなければ、私たちは健康で生きてはいけないことを再確認し、ワナワナ、ビックリのひと時がありました。

 しかも、同時にハッと気がつかされたのが、このような腸内細菌や腸管免疫研究のパイオニアの1人にE・メチニコフがいたことです。メチニコフといえば、私たちにとっては老年学(gerontology)と死生学(thanatology)の名付け親。老年学はメチニコフから始まったと教わっています。

彼は、1886年にできたロシア初の細菌学研究所の所長を務めた後、パリのパストゥール研究所に移り、やがてパストゥールの後継者として所長を務めた科学者であり、1908年には食細胞と免疫の研究でノーベル賞をもらった科学者ですから、腸内細菌や腸管免疫を調べていてこの名前に出会うのは、当たり前といえば当たり前なのですが、そんなフィールドの科学者がなぜ、老年学(gerontology)や死生学(thanatology)を提唱するに至ったのだろうかという、老年学研究科に入った時から抱いていた疑問が甦ってきたのです。このような疑問を胸中におきながら、今、結局は感染症との闘いで、いかに人類が脆弱であるかを知らされている私たちのこの世界と、メチニコフが老年学を提唱した経緯などを話題にしながら、おしゃべりができないかと思った次第です。

(PS)

ちなみにメチニコフはヨーグルトの研究でノーベル賞をとったように言われることも少なくないようですが、彼の研究はあくまで「食細胞(白血球)と免疫」の研究でした。1907年に発行された著書「長寿の研究 楽観論者のエッセイ」でヨーグルトに含まれる乳酸菌に腸内の腐敗菌の増殖を抑える働きがあると言及し、独自の“ヨーグル不老長寿説”を唱えたのを受けて、1908年にニューヨークタイムスがメチニコフの記事を掲載。これを機に、多くのメディアがヨーグルトと長寿の可能性を誇大宣伝したので、メチニコフがヨーグル研究者のように世界中から思われるようになったようです。

※本日は、ここまで。なぜ、腸内細菌と免疫の科学者メチニコフが老年学(gerontology)

と死生学(thanatology)を提唱したのか。そのヒントのほんの一端について、また日を改めてメモ書きしてみたいと思います。

<参考文献>

光岡知足. 人の健康は腸内細菌で決まる!. 技術評論社(2011)東京

須藤 信行. 脳機能と腸内細菌叢. 腸内細菌学雑誌2017 ;(31):23-32
三好真琴ら. 腸内細菌と脂質代謝. 静脈経腸栄養2013;28(4):9−15

安藤 朗. 腸内細菌の種類と定着
その隠された臓器としての機能. 日内会誌2015;(104):29~34

(オリガ・メチニコフ. メチニコフの生涯.)

Olga
Metchnikoff. Life of Elia Metchnikoff. London Constable and Company LTD.(1921)

https://bandscorp.jp/learn/labo/function/01/ 乳酸菌生成エキス研究室

https://www.shiseido.co.jp
› 脳腸相関LABO /資生堂

【緊急】3月14日公開講座は延期になりました

先般よりお知らせしておりました、みんなの老年学研究会・一般公開講座
「終末期に寄り添う看護師が語る『死』の授業」(3/14予定)ですが、
新型コロナウイルス感染拡大を予防する観点から延期の運びとなりました。

なお、延期の日程につきましては感染者数や感染症例等を考慮したうえで判断し、
あらためて「みんなの老年学研究会」お知らせいたします。
※申込みフォームより参加ご登録いただいた皆様には個別にメールご連絡させていただいております。

すでに大勢の方にエントリーいただいていたところ,大変申し訳ありません.
つい先日,前田さんともお打合せさせていただき,
非常に深い内容になる手ごたえをますます実感し,
この3月の会が見送りとなったとしても,企画としては必ずや…と
思いも新たに…といったところでございます.

周囲のお友達,お知り合いを誘っていただいた方もいらっしゃるかと思います.
申し込みフォームからエントリーいただいた方々にはこれから
メールでご連絡申し上げますが,なにぶん手作業のため,
タイムラグが生じる可能性がございます.
ご無理のない範囲で,公開講座延期の周知にご協力いただけますと大変ありがたいです.

一日も早く収束に向かい,みなさまとまたお会いできる日を
楽しみにしております.

引き続きどうぞよろしくお願いいたします.

【延期】公開講座のご案内 2020年3月14日(土)

※本講座は、延期を決定させていただいております(2020.2.22)

みんなの老年学研究会では、3月14日(土)に桜美林大学四谷キャンパス1Fホールにて公開講座として「死の授業」を開催します。

ちょうど1年前の同じ頃、柴田先生に「 長寿の『嘘』と『罠 」というテーマでご講演をいただき、大好評を博しましたが、続く第2回目の公開講座となる今回のテーマは「『死』の授業」です。

終末期に寄り添い、家族の物語をつむぐために奔走する介護保険外サービスの訪問看護ステーション「かなえるナース」代表の前田和哉さんを講師にお招きし、終末期の心と身体の看護、そして”自分らしく”満足して生き、死を迎える過程についてお話しいただきます。

昨年は「人生会議」のポスターが物議をかもし、おかげで、終末期について思いをめぐらせた方もいらっしゃるかもしれません。

ACPとか、人生会議とか言うけれど、終末期と「死」に寄り添ってみて、はじめてわかることがあります。でも、そもそも、終末期って、いつから始まるのでしょう?人の最期の最期にも、まだまだ選択肢があることも、体験してみないと、話を聞いてみないと、わからないことがたくさんあると実感していただけるはずです。

終末期や看取りに関する仕事や研究をなさってる方はもちろん、そうでない方も、自分の事ととして、親の事ととして、仕事で支援している高齢者の方々の事として、ぜひ、お話を聞きにいらしてください!

▼お申込みはこちらをクリック▼(延期によりリンクは解除しております)

よろしくお願い申し上げます。


公開講座概要

日時:2020年3月14日(土)13:30~16:00(開場13時)

場所:桜美林大学四谷キャンパス 1Fホール

最期まで、一人ひとりが”自分らしく”満足して生き、死を迎える過程に寄り添う看護師だから語れる十人十色の「死」の話を聞いてみませんか。プログラム2では、「死」の授業を受けたフロアの意見や疑問とキャッチボールしながら、老年学の立場から終末期医療や自分らしい死の迎え方を考えます。

<プログラム1>終末期に寄り添う看護師が語る! 「死」の授業

講師:前田 和哉氏(看護師・保健師/かなえるナース 代表)
聖隷浜松病院のICUに勤務し、多くの生と死を現場で経験。”生きる人”と”生かされる人”の現実を日々体験した後に、訪問看護の世界に移行。「医療+介護ケア」の重要性を確認し、現在は公的介護保険外サービスの訪問看護として、終末期の人々の希望をかなえるサービスに挑戦中。

  • 医療機関で迎える多くの人の「死」
  • 終末期の心と身体の看護とは
  • 多くの人が知らない、たくさんの選択肢
  • 安楽死 と 尊厳死 と 平穏死
  • 選んでほしいのは、満足死

最期まで、一人ひとりが、“自分らしく” 満足して生き、死を迎える過程に 寄り添う 看護師 だから語れる十人十色の「死」の話を聞いてみませんか。

<プログラム2>パネルディスカッション 
老年学と多死時代の選択

「死」の授業を受けたフロア の意見や疑問 とキャッチボールしながら、 5 人のパネラーを交えて 終末期医療や自分らしい死の迎え方を考えます。

パネリスト(予定):
柴田博先生(桜美林大学名誉教授)
渡辺修一郎先生(桜美林大学大学院老年学研究科教授)
吉澤明孝先生(要町ホームケアクリニック院長)
前田和哉氏(介護保険外サービス訪問看護ステーションかなえるナース代表)
島影真奈美氏(「子育てとばして介護かよ」著者)

研究会でのディスカッションに役立つ資料共有や情報交換は研究会MLで行っています。参加ご希望の方はお問い合わせフォームにご入力のうえ、お申込みください。

ご案内PDFダウンロードはこちらをクリック

研究会のご案内 2019年7月20日(土)

日時:2019年7月20日(土)14:00~16:00

場所:桜美林大学四谷キャンパス

テーマ:主観的健康感と主観的幸福感の再確認

老いの不安に負けず、自分らしくいつまでも生き切るために不可欠な高齢期の心理的概念が「主観的健康感と主観的幸福感」ではないでしょうか。
謙虚でありながら、自分の人生を肯定でき、家族でも、ご近所でも、仕事を通じてつながる顧客や関係者でも、誰かしらこれからもまだまだ幸せにしたいと思っている人。
そんな人が「主観的健康感と主観的幸福感」が高いのではないかと、近頃漠然と感じています。

柴田博先生に、「主観的健康感と主観的幸福感」について、ご講義をいただく予定です。先生の深くて、そして目からウロコの鋭いご講義を聞いた後、参加者でフリートーキングを行いたいと思います。

初めてこの概念に触れる方はもちろん、老年学に造詣があり、知っているつもりの方も、柴田先生のご講義からは、また必ず違う気づきと理解が生まれるはずです。

皆様のご参加をお待ちしております。

研究会でのディスカッションに役立つ資料共有や情報交換は、研究会メーリングリストで行っています。研究会およびメーリングリストに参加ご希望の方は参加申込フォームからご連絡いただけると幸いです。世話人より折り返しご連絡差し上げます。

第13回「みんなの老年学研究会」開催報告(2019年5月28日)

平日夜間の開催でしたが、多くの方にご参加いただきました。初めてのご参加も4名!ご興味をお持ちいただき、感謝申し上げます。

今回は、柴田先生のご講義(20分程度の超速レクチャー)と、初めての試みのワークショップ形式で行いました。

ワークショップでは、自己紹介から始まり、3つのお題で意見を出しあい、各班の発表者が全員に共有するという流れ。最後は、柴田先生、渡辺先生にも応用老年学の見地からのご解説をいただき、とても実りある研究会になりました。

今回、アンケート&プロフィールということで、各人1枚書いていただきました。その内容は、HP掲載の許諾を得て、別途ご紹介します。

研究会のご案内 2019年5月28日(火)

研究会のご案内 2019年5月28日(火)

日時:2019年5月28日(火)19:00~21:00頃まで

場所:桜美林大学四谷キャンパス

テーマ:老年学の意義を語る会

私たちはどうして老年学を知りたいのだろう? 

老年学から何を学び、誰に何を伝えようといているのだろう?
この原点に戻り、
老年学があると私たちはどう生きやすくなうのだろう?
ということを
「老年学のある社会VSない社会、老年学のある人生VSない人生」
という観点から見つめ直してみたいと思います。

冒頭に柴田先生から上記のテーマのヒントになる講話をいただき、
その後に自由討論の形式で。
当日のみなさまの活発なコメントをお待ちしております。

研究会でのディスカッションに役立つ資料共有や情報交換は、研究会メーリングリストで行っています。研究会およびメーリングリストに参加ご希望の方は参加申込フォームからご連絡いただけると幸いです。世話人より折り返しご連絡差し上げます。

第12回「みんなの老年学研究会」開催報告(2019年3月16日)

第12回「みんなの老年学研究会」開催のご報告です。

今回は、初めての一般公開で、柴田先生に特別ご講義をいただきました。

ご講演テーマ「長寿の嘘と罠」と題して、粗食美談の嘘・コレステロールばい菌説の嘘・高齢社会の罠について、ユニークな語り口でお話をいただきました。

ご講義のあとは、渡辺修一郎先生にもご登壇いただき、参加者とのクロストーク。ご質問、ご意見を活発にいただき、盛り上がりました。

参加者は33名。ご遠方から初めて参加された方もあり、新しい仲間との出会いも嬉しい研究会でした。

会場は、桜美林大学千駄ヶ谷キャンパスをお借りしましたが、いつものクラスルームではなく、ホールでしたので、プロジェクターやマイクの設備もばっちり。ちょっとおしゃれな空間で、それもまたナイス。落ち着いた雰囲気で充実した時間を過ごすことができました。

参加者アンケートでは、次回を期待する声を多くいただきました。是非また実現したいと思います。

研究会のご案内 2019年3月16日(土)

研究会のご案内 2019年3月16日(土)

日時:2019年3月16日(土)10:00~12:00

場所:桜美林大学四谷キャンパス 1Fホール

テーマ:<公開講座> 長寿の「嘘」と「罠」

講師:柴田博先生

研究会でのディスカッションに役立つ資料共有や情報交換は研究会MLで行っています。参加ご希望の方はお問い合わせフォームからご連絡いただけると幸いです。世話人より折り返しご連絡差し上げます。

 

<お誘い>

同日の午後、同四谷キャンパスで、下記の公開シンポジウムが開催されます。
併せてご参加いただくと、より有意義な一日になります。
参加希望の方は、各自で、主催者にお申し込みください。

第2回公開シンポジウム
「介護福祉領域における高齢者就労の展望」

主催者のお申し込みページはこちら

【お問合せ先】東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム
主催者発信のウェブページ(詳細が公開されています)