顧問・柴田博先生からのメッセージ
2017年10月から「みんなの老年学研究会」がスタートしましたが、これは大変意義あることと感じています。
この会は一種の塾といえるでしょう。しかも、受験のための予備校としての塾のように型にはまった目的のためではなく、自由に学べるところに特長があるといえるでしょう。
幕末の松下村塾や蘭学者で医者であった緒方洪庵の適々塾のように新しい時代を切り開く役目をした塾もあります。
私の若い頃は、現在と比較して同人雑誌と塾が多かったことを思い出します。退職した大学教授がさらに子弟を育てるために私塾を開く風潮が一般的でした。
アメリカの老年学は1937年の「加齢クラブ」というサロンからスタートしました。功利的な目的を持たない塾は、自分たちの時代を自分たちで築いてゆくために必須のものと思います。今年も、みなさんと思索の時間を共有できることを楽しみにしています。
柴田 博
顧問 柴田 博 プロフィール
- 桜美林大学名誉教授・招聘教授
- 医学博士、日本老年医学会認定専門医・老年病指導医、日本内科学会認定医
1937年北海道生まれ。1965年北海道大学医学部卒業後、東京大学医学部第四内科医員等を経て、1993年東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)副所長(現名誉所員)。2002年桜美林大学大学院老年学教授、2011年人間総合科学大学保健医療学部長を歴任後、現職。
日本応用老年学会理事長をはじめ、5つの公益財団法人の役員を務めている。
日本老年学会・日本老年社会科学会名誉会員、日本老年医学会特別会員。
生涯をかけて学際的老年学の研究と教育に尽力。東京都知事賞、日本文化振興会社会文化功労賞、International Who’s Who of Intellectuals、国際学士院(IAE)会員など国内外に受賞多数。専門書の他、一般向け啓発書も多数執筆。
みんなの老年学研究会とは
タテ糸に、“老年学の父”・柴田博教授の的確に整理された老年学の基礎と応用の関係を学びながら、ヨコ糸に、参加者の「老年学のここが知りたい」「自分にとっての関心を老年学として深めるには、何が不足しているのか。どの学びが必要なのか」「老年学から見た、現在の医療・健康学や社会制度等のデザインの落とし穴は何か」などなど、さまざまな知的要求を絡ませながら、教わるだけではなく、考える・創造する老年学をめざして、参加者全員でつくりあげていくことを目的に発足した研究会です。
中世から、カルチェラタンにはサロンがあり、積極的な討議や異文化の交流からさまざまな文化と知恵と知識が創造されたように、この研究会が長く続く老年学のカルチェラタンになれば・・。そんな願いを込めて、「みんなの老年学」と名付けました。興味を持っていただける方がいらしたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
発起人:萩原真由美